こんにちは。ぼっちバイカーです。
劇場アニメ「夏へのトンネル、さよならの出口」を見てきました。タイトルの通りめちゃめちゃ完成度が高くて楽しめたのでネタバレ無しで感想を書こうと思います。
もうそろそろ劇場終了するのでまだ間に合うならぜひ!!
ネタバレなし!「夏へのトンネル、さよならの出口」の感想
最近は劇場版アニメも多種多様になってきましたよね。
今まではジブリ、新海誠、細田守、あとは超有名なアニメの劇場版が注目されていました。でも最近はそこまでお金をかけて宣伝しないマイナーとまでは言わないけど中小規模な劇場版アニメもちょこちょこ上映されており、少し立つとNetflixやAmazonプライムビデオなどのサブスクで見ることができる印象。
「夏へのトンネル、さよならの出口」はそんな中小規模な劇場アニメ映画です。
この作品の概要などは書きません。公式ページなりを見てもらえればと思います。
いわゆる原作がライトノベルの劇場アニメ化したやつ。略して「夏トン」。9/9から劇場公開し、10/14日現在は劇場数カ所以外はすでに公開終了している状況。
僕は池袋にあるグランドシネマサンシャインがまだ劇場公開中だったので滑り込みで観てきました。ネタバレの感想というか、どのへんが良かったかを書こうと思います。
タイトルや設定は正直平凡だなっと思っていた
最初タイトルを見たときの印象は「まぁた長くて覚えきれない系タイトルの劇場アニメきたか」って感じでした。
要素として「高校生の男女」「自然」「写真のような精工な背景」「意味ありげだけど見ないとわからない思わせぶりなタイトル」は、昔はワクワクしましたが最近ではこの手の劇場アニメは量産されすぎていて目新しさはないなって。
あらすじは以下。
ウラシマトンネル――そのトンネルに入ったら、欲しいものがなんでも手に入る。
ただし、それと引き換えに……掴みどころがない性格のように見えて過去の事故を心の傷として抱える塔野カオルと、芯の通った態度の裏で自身の持つ理想像との違いに悩む花城あんず。ふたりは不思議なトンネルを調査し欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶ。
これは、とある片田舎で起こる郷愁と疾走の、忘れられないひと夏の物語。
どうせサブスクで配信されるし待とうかなとも思っていました。
ただ、Twitterのレビューを眺めてみると高評価の人が非常に多く、「夏へのトンネル つまらない」で検索してもほぼ検索に引っかからない。
Twitterで検索したときの印象で大体面白いかどうかがわかるのですが、「ツイートしている人が少なめ」「ただツイートしている人はみな高評価」「つまらないと言っている人がいない」という感じ。良作の予感を感じ、劇場公開終了間際になんとか時間調整して映画館に向かいました!
「夏へのトンネル、さよならの出口」は新海誠作品並に映像が美しい!
これは期待していたとおりですが、映像が綺麗すぎてやばかったです。
いわゆる新海誠作品みたいな現実の写真のような背景。クオリティ高い。登場人物も魅力的だし、特にヒロインである花城あんずの目の描写とか息を呑む映像でした。
映像きれいなので世界に没頭できました。
ただ、映像はきれいだけど物語がつまんない…という作品、最近多くないですか?
夏トンはそうでありませんでした。
80分という時間できれいに完結している!
ただきれいなだけじゃなく、良かったと感じるのがこれ。
原作はライトノベルですが、80分の中小規模の劇場アニメに落とし込む上でだいぶ情報を削ぎ落としたとインタビュー記事にかかれていました。
最近だと群像劇で登場人物が沢山いて、それぞれの心理描写を描いたりするじゃないですか。
でも夏トンでは徹底して主人公とヒロインだけにフォーカスしており、学校のクラスメイトや親族などは「必要最低限の登場」だったと感じました。悪く言えば主人公とヒロイン以外はモブ扱いとも言えます。
でも80分の映画ということで気にならなかったし、むしろ本筋をじっくり描いてくれるので非常に濃密な80分で、特に短いとも長いとも感じない絶妙な時間でした。
観ていてダレるシーンが本当に無くて、でも派手なシーンはそんなに多くない。むしろ地味な会話シーンばっかりだったのになんでここまで飽きないのかが謎なくらい良かったです。
セリフ少なく、演出で表現するシーンが多くてセンスが光ってた
このアニメ、素人の僕が観てもわかるくらい「あえてセリフではなく背景や演出で物語っている」シーンが沢山ありました。
例えるのが難しいですが、二人の関係が順調な時は二羽の鳥が交わって同じ方向を進んでいたり、なにかトラブルがあった時は別の方向になっていたり、とか。(伝われ)
セリフ少なく、状況で二人の感情を表現するのが本当にすごい…。なんというかオトナな作品だなって。センスがある映画でした。
アラサーにドンピシャな時代設定
時間を扱う物語という性質上なのかな。
ケータイはまだガラケーで固定電話が普通に存在しており、音楽はMP3のソニーウォークマン。な2003年でした。僕もこの頃ちょうど高校生だったのでドンピシャで刺さりまくりました。。。
ケータイの文字を打つ描写とかメール受信ボタンを押して新しいメールが来ていないかチェックするシーンとかすべてが懐かしすぎました…。
今の若い子だと何やってるのかわからなかったんじゃないかな?って。
インターステラーとか相対性理論もの好きな人は刺さるぞ
相対性理論に従うと、光の速度に近づいたり重力が強い場所にいると時間の流れは遅くなるあれ。
クリストファー・ノーランの映画インターステラーや新海誠の短編映画「ほしのこえ」とか好きな人はぶっ刺さりますよ。
僕も「こっちでは数秒なのにそっちでは一週間過ぎていた!」みたいなやつ大好き。ワクワクします。
未知の「ウラシマトンネル」に対してちゃんと検証したり実験しているシーンなんかは本当に楽しめました。
ヒロインのあんずがかわいい!
かわいいは正義。
かわいいだけじゃなくてちゃんと悩みや葛藤が描かれてて表情も豊かででも芯がある魅力的なヒロインでしたわ。普段はスキがないけどデレたときの破壊力はやばい。
あとジト目みたいな表情が好きでした。
最後の余韻がとっても良かった
映画は結局終わり方が良ければたいていは良作だと僕は思っています。
最近はトリッキーだったり個性を出すために機をてらった終わり方が多い中で、夏トンはすごく丁寧にエンディングまでたどり着き、「このあと主人公とヒロインはどのように生きていくんだろう」という想像の余地が無限にあってとても良い終わり方でした。こういう余韻を残して終わる映画って好き。。。
こういうので良いんだよぉ・・・っていう名残惜しくも温かい気持ちになれる作品でした。
入場者特典の冊子が良かった
入場者特典で冊子を頂きました。
がず
後で読んでみると、映画のエンディング後の二人の様子が書かれている小説「さよならのあと、いつもへの入り口」でした。
28ページに及ぶ小説は二人のラストを想像するための演出としてはこれ以上ないほど効果的で、もし可能ならもう一度劇場に見に行きたいなってなりましたね。。。
これまでも映画入場特典で色々受け取って来ましたが、ここまで余韻に浸れるアイテムはあっただろうか、いやない。パンフレットも買っとけばよかったな。
まとめ
「夏へのトンネル、さよならの出口」のネタバレ無しのレビュー記事でした。
特格完成度が高くて全くダレることがない濃密な80分間でした。音楽も良かったのでサントラ、できればアナログレコードで出してほしいです!!
もう劇場公開は終焉に近づいていますがもしまだ間に合うなら、ぜひ時間を調整して観に行ってみてください。
まぁそのうちサブスクでもやるのでしょうが、映像がきれいだったり音響も素晴らしいので劇場で見たくなる作品だと声を大にして言いたいです。
原作とは毛色が違うとのことで原作の本も読んでみたいと思っています。
こんな感じ。