eMTBのフルサスとハードテイルはどっちがいいの?

【2020年】一年前の自分に教えたいeMTBの選び方

こんにちは。ぼっちバイカーです。

いきなり自分語りですが、僕はYAMAHAのeMTBであるYPJ-XCを購入してもう一年半ほど経過します。当時はeMTBという概念がまだよくわからないまま購入したわけですが、実際に所有しそして色々な場所へ乗ってみて気づいたことが沢山ありました。

YAMAHA YPJ-XCでトレイル!!
YAMAHA YPJ-XCでトレイル!!

正直、eMTBを購入する前の自分に伝えたい!と思うことも多かったので記事にまとめました。

「eMTBって何を選べばいいの?」「ハードテイルとフルサスだったらどっちがいいの?」「モーターって世界的にはどこがメジャーなの?」といったことも紹介します。

eMTBの選び方

この記事では特に”eMTBを選ぶときに考えるべきこと“について書きました。eMTBを選ぶ時にはこれだけ確認しておけば不幸なミスマッチは起きないはず。

全部で7つ(プラス1)です。

  1. eMTBで何がしたいのかを考える
  2. フルサスとハードテイルではどちらがいいの?
  3. 予算に合わせる
  4. e-MTBのモーターはどこ製がいいのか
  5. バッテリ容量はどのくらいあれば良いのか
  6. eMTBの中古はあり?
  7. 試乗は絶対やった方がいい
  8. 今おすすめするならどのeMTBが良い?

1. eMTBで何がしたいのかを考える

eMTBと言ってもマシンによってできる範囲は大きく異なります。

現時点でのeMTBでのメリットを生かした乗り方を例として挙げてみましたので自分がどれに該当するのか確認してみてください

  • 自宅から職場や学校までの通勤通学
  • 買い物やちょっとした移動での街乗り用
  • 運動不足解消のため
  • 新しいガジェットを所有してみたい
  • 一部オフロード区間も含む長距離の旅の相棒として使いたい
  • バイクパッキング してキャンプツーリング
  • MTB専用コースで登りも下りも思いっきり楽しみたい
  • 里山トレイルでマイペースに、でも上りは楽に楽しみたい
  • eMTBのレース(エンデューロやクロスカントリー)で闘いたい

自転車はガジェット遊びなのでスペックの部分では専用機材には勝てないです。(自転車は人間のスキルに依る部分が多いのですがマシンだけにフォーカスします)

YPJ-XCは旅バイクとしても優秀!
YPJ-XCは旅バイクやコミューターとしても優秀!

コミューターなら耐久性や全天候性そしてメンテナンスサイクルが長く、買い物もするなら駐輪用のスタンドや荷物入れも欲しい。サスペンションがついていると街乗りは楽だし、旅の相棒として長距離を走るならバッテリ容量が多い方が良い。たくさん荷物を積んでキャンプするならラックやアタッチメントも想定されているマシンの方が敷居が低いです。

そしてMTBの醍醐味であるオフロード走行をバッチリ楽しむならサスペンションストロークやフレームのジオメトリやパーツ(コンポーネント)もそれ専用のものが使われている車種の方が良いです。そしてレースにも出てみるくらい本気ならクローズド専用の高出力パワーを持つレーサーeMTBを入手するのが一番の近道。レースフォーマットごとに特化した車両があります。

今のeMTBの大半はスポーツモデル、つまり本格的にオフロードを楽しむモデルがおおいですが、ここはちゃんと整理しておかないと失敗します。

2. フルサスとハードテイルではどちらがいいの?

eMTBに限らず、「フルサスかハードテイルか」はMTBでは昔からある話題です。

フルサスとは前後にサスペンションがついているモデルで、ハードテイル(HT)とは前だけサスペンションがついているタイプのこと。軽さとか価格とか快適性とか走る場所などでどちらが活きるかは変わりますがここではeMTBに特化して解説します。

eMTBのフルサスとハードテイルはどっちがいいの?
eMTBのフルサスとハードテイルはどっちがいいの?

eMTBでオフロードを走るならフルサス一択

結論を最初に書くと「eMTBでオフロードを重視するならフルサス一択」で間違いないです。理由は「eMTBの強みがフルサスのデメリットを打ち消す」から。

というのも、一般的にフルサスMTBのデメリットは “登り坂が辛い” と言われています。これはペダルを踏んだ力がリアサスに吸収されてタイヤへの駆動力が弱くなるから。でもeMTBなら減衰する分を含めてまるっとモーターのアシストの暴力でカバーしてくれるんです。つまり、フルサスの一番大きなネガティブが消えるってこと。

フルサスのデメリットはeMTBだとこんな感じになります。

  • サスにパワーが吸収されて登りがきつい→モーターが助けてくれる
  • 下りが楽しい→重くなるのでダイレクト感が減る
  • 重い→さらに重くなる!バイクに乗って登るならいいけど、担ぐのはシンドイ
  • お値段が高い→さらに高くなる!

メリットだけじゃないですが「登りで疲れてしまうのがいやだけど下りは楽しみたい」という人は間違いなくフルサスだと思うのです。逆に「登りのシンドイのがMTBの良さ」「体を鍛えればええやん」「下りで重くなるのが許せない」っていう脳筋精神的にタフな人はeMTBだと向いていないかも。

ハードテイルのeMTBはメリットが相殺される

一般的にハードテイルが選ばれる理由は「軽くてダイレクト感がある」「登りが楽」「メンテナンス性(パーツ点数が少ないほど故障リスクも減る)」「比較的安い」「オンロードを重視したいのでオフロードはそこまで重視しない」「HTが好き」など理由がありますし、実際ハードテイルにファンは多いと思います。

でも、ハードテイルの上記メリットはeMTBだと以下のように相殺されてしまいます。

  • 軽さ・ダイレクト感→モーターとバッテリで重くなる
  • 登りが楽→eMTBでは考える必要なし
  • メンテナンス性→モータ部分・・・
  • 安い→モーターやバッテリで高くなる

ハードテイルのメリットはeMTBだと活かせないので中途半端になってしまいます。とはいえフルサスeMTBよりは軽く、ダイレクト感がありますし、僕が伊豆大島の旅で感じた「超快適なコミューター自転車」としては優秀です。

でもオフロードメインで考えるならフルサスを選んだ方が幸せになれるよ。

3. 予算に合わせる

自転車はロードバイクなどで100万円を超えるものもざらですがMTBも同様。良い素材や効果が大きいパーツのマシンは高いです。

2019年現在のエントリーからミドルモデルの価格は、ハードテイルのeMTBが30-40万円、フルサスは40-60万円くらいが相場です。

参考程度に日本で購入できるeMTBから価格を紹介(2019/12/15時点)

マシン タイプ 価格
YAMAHA YPJ-XC HT 35万円
BESV TRS2 XC HT 36万円
MERIDA eBIG.NINE400 HT 39万円
MIYATA RIDGE-RUNNER 8080 FS 42万円
Panasonic XM-D2 FS 60万円
MERIDA eONE-SIXTY 800 FS 62万円
TREK Rail 9.7 FS 79万円
MERIDA  eONE.SIXTY 9000 FS 85万円

HT…ハードテイル、FS…フルサス

最後の二つはフレームがカーボンだったりパーツ(コンポーネント)が最高グレードなので高く感じますが、このくらいの価格帯です。

4. e-MTBのモーターはどこ製がいいのか?

海外の方が先を行くeMTBのモーターですが、メーカーが色々あることに気がつきます。

「モーターなんて出力とかトルクが同じならどれも一緒でしょ!」と思う方もいるかもしれません。僕はそう思っていました。でも実際に乗り比べるとかなり乗り味が違いました。

YAMAHAの新モーター PW-X2
YAMAHAの新モーター PW-X2

メーカーでの違いはもちろん、同じメーカーでもモーターが新しいほど小さくそしてパワフルになっています。

アップデート内容も豊富
旧世代からのアップデート内容も豊富

モーターについては海外の方が先行して発売されていますので新モーターの評判は海外のレビューを見ると良いです。

なお現在のeMTBモーターでの世界的なシェアでは圧倒的にBosch(ボッシュ)です。次いでシマノ。現時点ではこの二つのモーターを選べば間違いなく”イマドキ”なeMTBです。モーター名は「Bosch Performance Line CX」「Shimano STEPS E8000シリーズ」です。

2020年に流行るeMTBの2大モーターを比較してみた

メーカーとオフロードでのフラッグシップなモーター名を紹介するのでそれがついているeMTBを試乗してみましょう。(現時点ではまだ発売されていないものもあります)

メーカー モーター名
YAMAHA(ヤマハ) PW-X2
Bosch(ボッシュ) Performance Line CX
Shimano(シマノ)

STEPS E8080

Panasonic(パナソニック) GXO

Brose(ブローゼ)

Drive S

5. バッテリ容量はどのくらいあれば良いのか

eMTBはバッテリ容量によって活動限界時間が変わります。でも大きければ良いというものでもないのが難しい。容量が多い方が長く楽しめますがその分バッテリサイズ大きくなり、それが重さになってライディングフィーリングや電源の持ちを悪くします。

メーター(走行距離)

当然ですがeMTBで遊ぶ内容が半日程度なのか、丸一日山に籠るのかで必要なバッテリ容量は異なります。またコースのような場所をぐるぐる走るのか、ツーリングのように長距離を走るのかでも変わってきます。特にコースで走る場合には、軽くて容量が少ないバッテリを複数個持った方が走行時にライトウェイトで走りに集中できます。

僕の例でいうとYPJ-XCは36.0V/13.3Ahですが、スタンダードモードでちょっとした坂道を登ったり下ったりをするだけなら4-5時間は持ちます。普通の舗装路でアシストを限界まで節約すれば150km以上走れます。山での適度な斜度のヒルクライムでエクストラパワーモードだった場合、5kmで15%ほど消費したので30km走れない計算ですね。

何に使うかがまだわからない場合には、フル充電スタンダードモードで100kmほど走れるバッテリ容量を選ぶとよいです。

6. eMTBの中古はあり?

eMTBはまだまだ新しい乗り物です。新車だと結構いい値段するのですが中古で安く買う、という方法もあります。オークションでもたまに数台見かける程度ですが存在しています。今後オーナーさんが増えてくればもっともっと中古は増えてくるはず。で、中古のeMTBってありかと聞かれると「中古eMTBもあり」と答えます。

理由は二つです。

1.モーターはそこまで消耗しない

eMTBのキモはモーターのユニット部分。モーターにはオートバイのような内燃機関ではないので消耗が少ないんです。Broseというドイツのモーターは1.5万キロはメンテナンスふりーではしると言われています。使い方次第ですが、MTBでそのくらい走るのは結構大変です。あとスピードもせいぜい40km/hくらいなので機械への負荷が少ないです。多少走ったくらいで性能が著しく落ちることはありません。

ただし、チェーンやスプロケットそしてタイヤなど”モーターのアシストの力を受け止めるパーツ“は普通の自転車よりも消耗が激しいです。eMTBでは一般的に600kmを超えたら交換を検討した方が良いようです。一年程経過してeMTB乗りの知り合いでもチェーンが切れたという話を聞きました。中古で買う場合にはこれらのパーツは交換になるとおもっておく方が気が楽です。

2.モーター以外は交換可能

eMTBと言っても結局はMTBの規格物が大半です。万が一中古で購入したeMTBが予想以上にやれていたりパーツが破損していてもパーツ交換などでリフレッシュできます。

注意点

中古、特にオークションでの購入は当たり前ですが自己責任です。オーナーさんがどのように使っていたかや走行距離、購入日時、あと最後にメンテナンスしたのがいつかは必ずチェック。eMTBでは走行距離もメータでわかるので確認は容易です。

7.試乗は絶対やった方がいい

eMTBは安くない買い物です。可能な限り試乗はしましょう。

実際に乗ってみると乗りやすかったり乗りにくかったりとモーターの特製も結構違うことに気がつくはず。これも後からだと如何しようも無い部分ですので試乗会などを狙って参加しましょう!試乗する時にチェックすべきことをまとめているので併せて読んでみてください。

eMTBに試乗するならこの3つをチェックしよう【モーター編】

番外編:今買うなら何が良い?

これは個人によって様々ですが、今の時点でeMTBを購入するのを検討している僕のような人に1台だけおすすめするなら、MIYATA RIDGE-RUNNER 8080です。

RIDGE-RUNNER 8080リッジランナー 8080
MIYATA RIDGE-RUNNER 8080リッジランナー 8080

フルサスでモーターはシマノのSTEPS E8080(E8000の日本版)という今世界でも多くのeMTBで使われているもの。フルサス、27.5インチホイールそしてドロッパーシートポストという手元のレバーでシート高を調整できるパーツも標準装備で価格は41万円。正直コンポーネント(パーツ)はエントリーモデルレベルで「いいね!」ではなく「OK!」って感じ。でも細かく拘らないのであれば「41万円でちゃんとしたフルサスeMTBに乗れる」のはコスパ高いです。

「eMTBでオフロードもチャレンジしてみたい!」という人はまずはこれで色々な場所を走ってみて、そのまま満足するのもよし、各種パーツを上位グレードのものにアップグレードするのもよし、もっと高級なeMTBに乗り換えるもよし、普通の MTBに行くのもよしと潰しが効きます。

まとめ

eMTBを選ぶ時にやった方が良いこと、というかeMTBを購入する前の自分に伝えたいことをまとめました。

  1. eMTBで何がしたいのかを考えよう
  2. オフロードをメインにするならフルサス一択
  3. 予算から考える
  4. e-MTBのモーターはボッシュかシマノなら無難
  5. バッテリ容量は遊び方で決める
  6. eMTBの中古はありだけど注意も必要
  7. 試乗は絶対やった方がいい
  8. 今おすすめするならMIYATA RIDGE-RUNNER 8080

YPJ-XCを購入した当時はまだフルサスeMTBが存在しなかったので後悔しているわけではないでが、「やっぱり色々と試乗はすべきだったな」と思うことはあります。そして今購入するなら僕は間違いなくフルサスモデルを購入すると思います。オフロードが楽しいんですよね〜。

こんな感じ。



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