こんにちは。ぼっちバイカーです。
アドベンチャーゲーム「ANONYMOUS;CODE(アノニマス・コード)」をプレイし、全クリアしました。
アノニマスコード、クリアした。巷の評価が高くて期待してたんだけど、流行りのテック用語を一生懸命使う文系の営業が世界を救うみたいな感じでしんどかった…多分もう自分が対象年齢じゃなくなったんだな。 pic.twitter.com/YbKuknw92t
— ぼっちバイカー (@botti_bk) October 4, 2022
したのですがタイトルの通り楽しめなかったのです。
ただ、「つまらない」と言うだけではなくこうもやっとくる部分が多かったって言う感じ。このままだとなんとなく飲み込めなかったのでブログに感想を書いてみることにします。
ANONYMOUS;CODEとは
アノニマスコードについてさっとだけ紹介。
「ANONYMOUS;CODE(アノニマス・コード)」は5pb (MAGES)がリリースしたアドベンチャーゲームという、いわゆる紙芝居ゲー。ゲームのジャンルは「メタ科学アドベンチャー」。
2016年リリース予定でしたがだいぶ延期されて2022年7月にリリースされました。
このゲームは「科学アドベンチャーシリーズ」の一つ。STEINS;GATE(シュタインズゲート)やCHAOS;HEAD(カオスヘッド)をご存知の方がいたらあれと同じ。僕も詳しくはわかっていませんが、「99%の科学と1%のファンタジーをコンセプトに、現実に存在する科学的事象を物語の骨格として組み込んだSFサスペンス」とのこと。
とんでも科学ではなく実在する技術が出てくるだけではなく、舞台も基本的に実在する場所(渋谷、秋葉原、種子島等)なので現実味を帯びたリアルなストーリーになるのも魅力の一つです。
過去作は基本プレイ済み
カオスヘッドシリーズは1作品目だけ、シュタインズゲートは原作のゲームもファンディスク(?)、あと0もプレイ済み、ロボティクスノーツとオカルティックナインもプレイしていますが正直記憶がない()
科学アドベンチャーシリーズは一応機会があればプレイしていますがスピンオフはシュタインズゲート以外は追えていないです。
「ANONYMOUS;CODE(アノニマス・コード)」も気がついたら発売から3ヶ月経過してしまいましたが、ようやくプレイ!!
気になってたアノニマスコード、ようやくプレイする。シュタゲ越えあるか? pic.twitter.com/r3HpLOAh9B
— ぼっちバイカー (@botti_bk) September 29, 2022
レビューをざっと眺めた感じだと面白いと評価している方が多く、シュタインズゲート超えちゃうのか!?と期待しながら開始しました。ワクワク!!
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【ネタバレあり】アノニマス・コードが面白くなかった話
ということでようやく本題。
一通りプレイしたはず。BADエンド回収もTRUEもグランドエンドも全部見ました。
クリアして感じたのは「面白かったのは最初だけだった」と言う感じ。
これだけだと伝わらないのでもう少し詳しく書きます。ネタバレあるので注意です。
サブキャラが主人公を盛り上げる舞台装置でしかないと感じた
アノニマスコードをプレイして感じたのは、とにかくサブキャラクターに人間味を感じられないってことでした。
徐々に仲間を増えていきます。敵だったり探し続けていたキャラも協力してもらい、話が進むこともあります。
でもね?いわゆるメインシナリオの「クエスト攻略」に関連したやり取りしかないんです。彼ら彼女らの特技とかそういった側面ばかりが目立ってて、なんていうか都合の良い舞台装置って感じ。
クロスとかめちゃめちゃクールでどんな時もサポートしてくれるし、主人公が悩んでいる時に適切なアドバイスをしてくれる。本来は感動するようなシーンなのかもしれません。でも、そもそもこのクロスは何者でいつから主人公とつるむようになって、どんな困難を乗り越えてきたのか、普段何をやっていてどんなことに悩んでいるのか、とかそういうことが全然わからないせいでいまいち感情移入できない。最後まで裏切るのでは?黒幕なのでは?って疑心暗鬼してた。
資料集とか読んだら違うのかもですが、ゲームをプレイしただけだと仲間たちはみんな「都合良く主人公が困ったらサポートしてくれているAI」みたいに感じました。良い人すぎて怖い。設定ありきで作られたサブキャラって感じが最後まで気になりました。
最後の方まで「こいつら実はみんなAIだった」とか「父親が開発したBOTだった」とか、「主人公以外全員がシミュレーターを円滑に行うためのスタッフだった」みたいな展開なのか?って深読みしていました。
全員ではなくて良いからせめて主人公と近い人はもう少し仲良しエピソードとか悩みを解決するみたいな話が欲しかった。
ヒロインの魅力がわからなかった
女性の好みはそれぞれ。それは良い。
ただ単に今回のヒロインのモモは本当に感情移入できなかったし最後までよくわからなかった。
もちろん存在自体がかなり特殊だったというのはあるけど、主人公がどこに魅力を感じたのかが全然共感できなかった。一番かわいいなって感じたのはパンツ履いてない告白するシーンでした(遠い目)
これは流行りなのかもですが、媚びないし自立しているわけではないけど芯がある女性っていう感じなのかな。
そのくせ結局なんで着ぐるみ着ているのかわからなかったし、なんか「はい!頑張ります!」みたいな感じで最後まで頑張っていたなぁって感じ。
なお、ヒロイン以外の女性キャラは魅力的な子が多かった。
仕事完璧にやります感だしつつプライベートでは抜けてて、店員への強いあたりとかすごい好きだったし、髪型も好きだしもっとプライベートや活躍するシーンが見たかった。彼女がヒロインのスピンオフでたら定価で買いますわ。お色気担当?もっと絡んでほしかった。
イラストかわいすぎでは?モモとビジュアル変えてくれたらよかったなってくらい刺さった。この冷めた目線から徐々に主人公を信頼していくようなストーリーがよかった(個人の好み)
というか、なんでサブヒロインがいないんだろう?これだけ魅力的なキャラがいるんだからサブヒロインルート作ってもよかったのでは?セーブロード能力使ってこういうことがやりたかったんだよ。
結局全員過去とかプライベートが見えないし性格も記号的すぎて最後まで感情移入できなかった。仲間とやり遂げた感が全然なかったです。
シュタインズゲートが受けたのはそれぞれのラボメンルートがあって、そこで深堀できたことでよりメインシナリオで感動したっていうのがあったと思うし、シュタゲは本当どのキャラも人間らしかったと思う。
ロザリオルート、待ってるぞ・・・!
ハッキングシーンがきっつい
「いまからハッキングを開始する」って単語が「松屋で牛めし食べてくる」ってくらいの頻度で出てきて終始卒倒しそうでした。
僕はITエンジニアとして働いていると言うのもあって、とにかくこのゲームでの”ハッキング“への夢と希望がキッツイ・・・。
例を挙げるなら、「フライトシミュレーターゲームのサーバにハッキングして現在プレイしているユーザーの住所データを抽出したぞ」とか。ゲームサーバ内にユーザー個人情報を持つわけがないし、認証サーバのような個人情報たっぷりのサーバはネットワークから隔離してるでしょ。。。とかついつい気になってしまう。あと「中野のネットワーク”掌握”までもう少しかかるぞ」からの「居場所を特定した。追跡する」とか。。。
2030年代だとそんなすごいハッキング技術が進んでいるのだとしたら、サーバー側も対策するか盗まれる前提でサーバを作るはずだし、話が進めば進むほどこのハッキングシーンが壮大に、雑に描かれていて気になりすぎてだめでした。。。
科学アドベンチャーシリーズなんだからもう少しハッキングの手口とかオタク特有の早口で良いから示して欲しかった。具体的に何をしているのかわからないので「ハッキング」が便利な特殊能力にしか見えなかったしちょっと都合が良すぎてキツかった。
いや。いいんですよ。ゲームでフィクションなんだから。映画でもハッキングシーンってありえないことが多いです。
でもその中でもこの作品はハッキングの万能感がすごかったし、このゲーム内の「ハッカー名乗ってる人ならどんなものでもハッキングできて当たり前」みたいなぼやっとした空気がキツかった。一介の学生で父親がハッカーで衛星のメンテナンスをしていたエンジニアというだけだと納得できなかったのです。
この点、シュタインズゲートのダル(科学アドベンチャーシリーズで凄腕のハッカー)はここまでぶっ壊れていなくて納得感があった。CERNへのハッキングも実は元々回線がつながっていた、とかそういう環境があったおかげだったし納得感があったのです。
最後まで「このハッキングスキルは実はサクラメントの力を気づかずに使っているのでは?!」って考察していました。仮に主人公がものすごい高度なハッキングスキルを持っているのであれば納得できるエピソードが欲しかった。
コマンドラインが大量に流れていたり、施設の地図のワイヤーフレーム、「ハッキング完了」という謎のアイコンが出ていたりは別にいいんですよ。かっこいいのはわかる。特にこのゲームはシチュエーションごとにハッキングシーンのバリエーションというかグラフィックはわかりやすい中にもあるカッコ良さが良い感じでした。
ちなみに、僕が知る中で一番リアルなハッキングシーンが楽しめるのは「MR. ROBOT/ミスター・ロボット」です。
ハッキングシーンがガチすぎて全然映えないところも含めて最高なのでぜひ。
アスマにGAIAで下位世界をハッキングすれば万事解決だった説
主人公たちは頑張って上位の世界(神)に挑んでいたわけですが、結局上位世界の上にも上位がいるという話でした。でもどこか一つの世界だけでも負荷が規定値を超えれば再起動で2079年問題を解決した世界に再構築されるということでしたよね。
ならさ、別に上位世界ではなく「アスマに頼んでGAIAで下位世界の負荷を上げればいいのでは?」ってずっと思っていました。というかそうなると信じていたんです。
下位世界を自由に操れるのだから負荷を上げる方法なんて色々あるだろうし、下位世界の負荷が上がれば再起動ですべての世界が再構築されるんだから。
本編ではこの方法については特に言及されず頑なに上位世界にハッキングしてましたが、下位世界のハッキングでは駄目だったのかな。
エンディングが盛り上がらなかった
アノニマスコードの終わり方は明らかにシュタインズゲートのストーリーを意識してますよね。
「世界を救うために好きな人であるモモを犠牲にする」というトゥルーエンドを見せつつ、「世界もモモも救う」というグランドエンド。記憶は消えるけど魂の絆は残っててバタフライエフェクトよろしく、二人の関係が新たに始まるラスト。
やりたいことはわかるのですがとにかく燃えない展開でした。仕方ないのだけど主人公はロードしすぎて最後までサブキャラたちをモブ扱いだし、ヒロインも掘り下げ不足でそこまで主人公のこと好き?って感じのままなのでなんか盛り上がらない。しかも主人公自体も記憶消えちゃうのでこの話を最後まで覚えていたのは観測者である自分自身だけ。最後のシーンでももはなんとなく記憶が残ってそうな匂わせで終わりましたが・・・
ということで仕方ないのですが、なんかこうスッキリしない終わり方でした。
なんというか、エンディングの後にこの世界の人々がどうなるかが想像できないのですよね。クエストも発生しないわけだからそもそも仲間との絆も生まれないし、主人公とヒロインの共通点も皆無。仲間たちが中野シンフォニーとして再び集まる可能性はかなり低いです。シュタゲではオカリンが記憶を持っていたのでラボメンが復活する未来しかなかったけど、本作は全員記憶がないのでそれも期待できない。
こんな世界でよいの?って納得できないのが、エンディングが盛り上がらない理由だと思ってます。セーブができなくなった時だけはワクワクしましたし面白かったけど、観測者だよりすぎだなぁって感じ。
これはセーブ・ロード機能っていうチートを使った代償とも言えます。あっけなさ過ぎて燃えず、故に余韻とか終わってしまった…という喪失感があまりなかったように思えます。
アノニマス・コードの良かったこと
disってばかりだとあれなので良かったことも。
まずキャラクターたちが動いているのはすごく良かった。イラストは人によってだいぶクオリティに差があると感じたかな。手書きのイラストっぽいキャラも入れば塗るとしたアニメキャラって感じまでいてFGOやってる気分になりました。ウィンドとクロスの顔の大きさよ。。。
あとUIやセーブ・ロードシステムも斬新でした。ただ、ロードできるタイミングが良くわからないのでボタンを押し続けないといけないのは普通に苦痛だった。ロードできるタイミングだけアイコンが光るとかで表示してほしかった。でもシナリオの中でセーブ・ロードするのは脳みそが混乱して楽しかった。
あとは、マンガ形式で進行するイベントシーンはめちゃくちゃ良かったです!
マンガトリガーというシステムらしいんだけどマンガのイラストがめちゃめちゃかっこよくて、海外テイストもありつつ、大友テイストもあってとにかく良かった。マンガのテイストやキャラクターデザイン、AKIRAオマージュしてるだろって言うツッコミは野暮。かっこよければよいのです。将来こういうスタイルのリッチなマンガがもっと出てくるのかもしれないなぁってちょっとワクワクしました。
さすが長期間開発されているだけあって、イラストとかコンセプトアートとか世界観はすごい作り込まれていると感じました。多分没になってけどもっと色々なアイディアとか仕掛けがあったんだろうなぁって感じさせる部分もあったし、だからこそ日常パートの少なさや後半の雑さがもったいない。
メタな発言やまるでゲーム内のキャラとやり取りしているかのような感覚は斬新でしたが、中野シンフォニーがいる世界をもう少しリアルに感じたかったな。
悪い点も書きましたがちゃんと完成しているし、VRカフェとか前半は息をつく暇もないくらい怒涛の展開は面白かった!
また次回作も懲りずにプレイするつもりです。
こんな感じ。