評判が分かれる映画「天気の子」は実に新海誠らしい好きな作品だった

こんにちは。ぼっちバイカーです。
プロモーションをバシバシ打ちまくっている話題のアニメ映画「天気の子」をレイトショーで観てきました。
天気の子
感想としては、ヒロイン可愛いし映像ふつくしいし音楽も最高だし、周りのキャラも魅力的で世界がキラキラしてた!話も気になることはあったけど総じて楽しめた。予想とは違ったけどよかった!!こうして今思い出しているともう一度観たくなる、そんな作品でした。
ただ、Twitterでは評判は微妙?「別に悪くは無いけど最高でも無い・・・」的な印象の感想が多かった。気になっていましたが映画を観て納得した部分もあったのででネタバレありで書いてみます。
ネタバレあります!!
これから観る方はブラウザバックしてどうぞ。

新海誠作品は割と昔からチェックしてる

ちょっとだけ自分語りをさせてください。
新海誠作品で僕が最初に見たのは、学生時代。留学していたことがあったのですがその時に中国人の友人から借りたのが「秒速5センチメートル」。若干ホームシックになっていた僕はリアルに描かれた見慣れた新宿や電車の風景や山崎まさよしの”One more time, One more chance”の「いつでも探しているよ」という歌詞に何度も涙を流した大好きな作品です。
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そのあと「雲のむこう、約束の場所」や「ほしのこえ」もみて新海誠作品の魅力にハマり、以降は映画館で全て診てるくらいにはファンです。一番好きな作品は「言の葉の庭」です。
あとは・・・学生時代プレイしたminoriという某ジャンルのゲーム会社の「efシリーズ」のOPムービーは何度も観ました。

個人的にですが、新海誠の作品はリアル路線での圧倒的に美しい絵と、”最後絶望するけど希望もあって、「・・・頑張ろう」って思える終わり”が好き。

「天気の子」の評価が高くないのはなぜ?

レビューや感想を観てみても、星3-4が多く、5をつける人はあまり多くない印象でした。特に公開当初は評価2.9と3を切ってしまレビューが削除されたりもしたようです。ざっと眺めると、前回の「君の名は。」と比べると満足できない、旨のレビューが多かった。
もちろん、映像がすごい、音楽がすごい、ストーリーが良い、などポジティブな反応もたくさんありました。
なので「天気の子」は前作よりも「人を選ぶ作品」だったと言えます。
・・・なぜ評価が分かれたのでしょうか?

とにかくストーリーがポイントだった

映画は「映像、音声・音楽、ストーリー、演出」が大事な要素。

映像は新海誠なので間違いなく美しい。都会のビル群をここまで美しく描けるのは新海誠だけと言えるほど鳥肌が立ちました。しかも、綺麗なだけじゃなく汚い部分も。小綺麗な竹芝のフェリー乗り場、新宿のゴミが大量に落ちてる街並み、池袋のラボホ街、田端の線路沿いの街並み、生活感のある高島平の団地とどれも実写のような再現度でエモでした。そしてマクロな部分もすごい。生活感のある事務所、苦労を感じるヒロインの部屋、ラブホのお風呂、iPhoneの画面、バイクの描写。そしてもちろん、雲の映像も神々しくて震えた!!
音声は・・・本田翼が話題になっていましたが、本編を流して見た僕としてはそこまで気にならなかった。演出、と言うか各シーンの細かいディテールの再現度もすごい。僕は個人的にRADWIMPSは好きでないのですが 君の名は。よりもあの声が耳に付くことがなかったしよかった。というか上記予告でも使われている「グランドエスケープ (Movie edit) feat.三浦透子」の透明感・浮遊感はよかった!!
ということで、ストーリーが評判が分かれた部分だったと思います。

円満エンドではなかった

「君の名は。」は社会現象、とまでは行かないまでもアニメを普段見ない層も積極的に足を運んだりと大ヒットしました。よく考えられた話、ワクワクするストーリーライン、新海誠の独自の世界観。終わり方も新海誠作品らしからぬ、 “綺麗な終わり方”でした。
そういう意味で「天気の子」は円満なエンドではなく、”主人公が自分のやりたかったことをやりきったエンド”。
東京は水没してしまったし、周りの人たちの悩み(子供と同居したい、就活など)全てを主人公が間接的にも解決されたわけではない。なんなら主人公の選択のせいで東京が水没したのかもしれない。
「でも、大丈夫」
で終わる今作品ですが、根拠もなければ対策もない。
そういうエンディングの先、が不安しかない終わり方だったことが評価が分かれた理由だったのだと思います。

ストーリーに驚きがあまりなかった?

ストーリーというか設定になりますが、君の名は。のような「入れ替わっていたのは12年前の田舎のJKとだった」「その田舎はすでに彗星で消滅していた」「彗星から村人を救え」「救ったあと奇跡的に再会した」というような驚きがなかった。
知らない都会に学生が一人でやってきて、ようやく安心して眠れる住居をゲットして仕事も決まり自分を頼ってくれる人ができた。特別な女の子と運命の出会い、そして仲良くなっていく。天気を変えすぎて見返りとしてヒロインは消えてしまう。主人公はがむしゃらに走って、周りの人のサポートもあって彼女と再会。二人で仲良く戻ってハッピーエンド。
映画予告から想像したストーリーと差があまりないので「驚きがあまりなかった」と感じました。もちろん、ヒロインが戻ってきてから3年間雨が振り続けて東京が水没したあたりは驚きましたが、映画を終わったあとに「これで終わり?もっと観たい!」ってなった。

主人公に共感できなかった・・・

主人公の行動原理が最後まで理解できなかった。そう感じる人は割といたんじゃないでしょうか?
「もう家には戻りたくない」って思って新天地の都内に出てきた主人公。警察から追われてまでしてなぜ東京にこだわるのか最後までわからなかった。雲からさす光が都内に向かって行ったから?
「青梅市も東京だよ。安いよ」って教えてあげたい。
あとは主人公が警察をバカにしすぎだし、銃は撃つし、線路を走るし、バイクもノーヘルだしなんなら冒頭の船のシーンでは「雨が降って危ないからデッキ立ち入り禁止です」って散々アナウンスされているのにまるで聞いていないし…迂闊すぎる。
でもこの無茶苦茶な感じこそ若者のそれだしこれを観て共感できないのは僕が大人になってしまったからなのかもしれない、と思うのです。

大好きな女の子のためになら罪をいくらでも犯すという究極の愛サイコー

新海誠作品は中二病の主人公が多いけどその中でも今作の主人公の凶悪さはトップレベル。
大好きな女の子のためにいくつもの罪を重ねて周りの人間も巻き込んだものの、3年間の保護観察で済んだ主人公。君の名は。でも発電所を爆破したけどあれば村人全員を救うためだから納得感があったけど、今作では完全に自分のためにやっているので許容できない!って思う人も多かったようです。
個人的にはフィクションなんだから好きにやっていいと思うし、全てを投げ打ってでも好きな人のために尽くす主人公の青さはとても好きでした。ヒロインは前作よりもいい意味で都会的で可愛かったし!
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広告宣伝もバンバンやっていたし、スポンサーもついているので無難な作品になると思っていたのでいい意味で裏切られましたね〜

あなたは”選択肢”が視えました?

ネタバレを回避するために事前情報はチェックしていなかったのですが、どうやらネット上では「エロゲの選択肢が視えた」という幻想を抱く人がたくさんいたようです。
何を隠そう、僕も視えてしまいました・・・”選択肢”が。
「天気の子」はエロゲというかギャルゲのようなパラレルワールドでいろいろなルートがある世界で、選択肢を選ぶことでフラグを立ててルートを選んでいる。そんな感じなのです。
最初は共通ルート⇨各キャラクタと個別に出会う⇨ヒロイン(天野陽菜)からハンバーガーを受け取る⇨ヒロインが怪しい水商売をしそうになるところを助ける⇨ヒロインルート入る(晴れサービス活動開始)⇨ヒロインルートクリア(陽菜が消えて”晴れの世界”を生きる)⇨TRUEエンディング
(伝われ)
詳しくは以下で書かれてますが、わかりすぎて驚いた。

note(ノート)

が話題だが、あれは幻覚だ。(僕もその幻覚は視た) というわけで天気の子について感情のおもむくまま方向性もなにもかも滅茶…

こんなに好きなだったのに”保護観察期間中、一度も会わなかった”という演出もエロゲのそれ。理由?その方がみんな成長していて感動するからだよ!!

別ルートの話も観れるかも?

ルート分岐型なので色々なIFの世界があります。
今後のメディアミックス展開とかもやりやすいですし、実際CMも打ちやすい形式だと思うので今後もタイアップ企画とか出てきてもおかしくないです。
これは完全に希望でしかないのですが、別のルート(夏美就活大成功ルート)とか見てみたい!ファンディスクはまだですか?

難しいことや細かいことを気にしないでボーイミーツガールを楽しもう

描写がリアルなのでつい勘違いしてしまいますが、この作品は「ファンタジー」。なんて言っても空から魚が降ってくるんです。(この魚も消化不良だったな)
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青々しくてきっと思い返したら悶絶する中二病な主人公が大好きなヒロインのためにとことんやる、そんなボーイミーツガールなお話を新海ワールドで東京のリアルな街中を舞台に楽しめるのが「天気の子」なんです。
新海誠ファンとしては、資本の力に負けて無難な作品にならず、新海誠らしい作風が復活してくれたことが嬉しかったし、今後も「観終わった後にちょっとモヤっとする」作品を作って行って欲しいと思っています。
こんな感じ。

すずめの戸締まりも公開初日に観てきたよ

新海誠の最新作、「すずめの戸締まり」は公開初日に観てきました。ネタバレありで感想書いてます。

【ネタバレあり】ラブコメ×震災の『すずめの戸締まり』がすごかった

観てない人は劇場へGOしましょ!

 

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