こんにちは。ぼっちバイカーです。
先日、250ccの2ストエンデューロレーサーで福島まで自走でアドベンチャーツーリングをしてきました。
もちろん最高だったのですが、この記事ではあえて「オフロードレーサーで自走することがいかにデメリットしかないか」を紹介します。
これ、僕がトランポを持っていたらトランポ持ってるマウンティングで炎上覚悟しなきゃいけませんが、幸い僕はトランポも持っていないし、自分が経験したことに基づく記事ですのでセーフなはず。
オフロード界隈でトランポを持っていない人は異常者
僕はKTM 690ENDURO Rといういわゆるビッグオフロードバイクで数年ぶりのバイクリターンしました。
最初はオンロードメインでしたがオフロードも気負う事なく走れることに気が付き、ずぶずぶとオフロードの世界にはまり、KTM 250EXCというエンデューロレーサーを購入。以来、レースやクローズドコースをメインでバイク遊びするようになりました。

KTM 250EXCと僕
エンデューロレーサーに乗るようになって一番変わったなと感じるのは”環境”でした。クローズドコースで遊んでいる知り合いが一気に増えたことで”トランポを持っているのは当たり前”だし”ナンバーや灯火類なんて付いていないのが当たり前”となりました。
でトランポを持っていない人はそれこそ”かわいそうな境遇に置かれている人”か”異常者”を見るような目で見られます。たとえるならば小学校でみんなNintendo Switch持ってるのに僕だけ持ってないやつ。
レーサーを買ってすぐの頃に「ここで1つ予言をしよう。君は一年以内にトランポを買っていることになるよ」と言われたほどです。
トランポを持っていない僕のような人は自分でトランポをレンタカーで都度借りないといけない。またはそれこそ”ハイエナ”のようにトランポを持っている人にすがって乗せてもらう、または相乗り相手を探すなどすることでかかる費用を圧縮するなどして、遊びに行くまでにいろいろ動かないといけません。
・・・トランポのレンタルはお金以外にもいろいろなデメリットがありますがそのことはこの記事で書いてますので割愛。
とにかくトランポを持っていないだけでオフロード界隈ではマイノリティとなります。
エンデューロレーサーで自走する時の5つのデメリット
なぜみんなトランポを持つのか?
トレールバイクで林道ツーリングしていた頃は自走が当たり前だったし、トランポで林道まで来る人こそ異常者扱いされていました。
その答えは簡単で、林道にいるオフローダーには「オンロードツーリングの流れからの自走での林道遊び」と「クローズドコース・競技の流れからの林道遊び」の2種類の人種がいたのです。
で両方の種族を経験した今の僕は「オフロードをガッツリやるなら自走なんてありえない」と言わざるを得ないのです。
自走には自走の楽しさがあるのはわかるけどそれ以上にデメリットやリスクがあったのです。ここでは5つ紹介します。
1.怪我やバイク故障のリスク
「怪我やバイク故障したら帰れなくなります。」と書いてもざっくりしていてあまり響かないかもですね。
林道といってもいろいろありますがいわゆるアタック、特に自身の限界に近い感じで遊ぶ場合にはバイクを倒したり発射したり投げたりすることが多いです。倒すことが多いとバイクを壊すリスクも上がる。ということです。あと怪我も同じですね。自身の限界にチャレンジすると怪我することが多い。
怪我やバイク故障した時、トランポで来ているならそこまで生還すれば優勝です。
バイクが動くかどうかは関係なく積みこんでバイク屋さんへそのまま持っていけばいいし、自身が怪我したとしても車ならハンドルを動かす1本の手と1アクセルやブレーキを踏む1本の足があれば帰還できます。
万が一の時のリスクもトランポがあると高い確率でヘッジできます。
なおこの辺は自走でもJAFやレッカーサービスという手もあります。
2.荷物が重い
過去に記事で書いていますが、林道に持っていくものは割と多いです。携行品については人によりますが万が一の時に生還するためにはある程度の備えが必要です。
備えがあるのは良いですがその分重くなり、場所も取ります。荷物が重いと疲れやすいし、転倒したときに持ち上げるのも軽いに越したことはない。軽さは正義。つまり「自走でオフロード」は”万が一の備えはあったほうがいい”と”軽いほどいい”という二つの相反する要求から落としどころを決める作業でもあります。
一方トランポなら持っていくものに制限はほぼないです。自宅の工具箱をそのまま持ってくればよいし、予備パーツも積み放題。ガソリン携行缶も持っていけるし電気もとれるので洗車機とかエアツールとかもいけるかも?動くパドックです。
何より、走行中は余計な重い荷物をすべてトランポに置き、ライトウェイトにオフロードを満喫できる。
これだけでトランポの意味があります。
4.バイク装備を脱げる幸せ
想像してみてください。
「自宅から250ccのネイキッドバイクで山梨まで走り、現地の公園で朝から晩まで草野球をしてそのまま野球装備のまま自宅までバイクで帰ってくる」というツーリングを。
これがいわゆる自走林道ツーリングです(大げさ)
オフロードで一生懸命走ると汗もたくさんかくし筋肉も酷使します。バイク装備は走行後汗びっしょりだしプロテクター、ヘルメット、ブーツ、ウェア、インナー、ヘルメットは汗でベタベタ。端的に言って不快。さらに雨が降ったらびしょぬれで寒いです。(夏の林道ツーリング後の雨だけは恵の雨だった!)
自走の場合この「不快な状態」のまま自宅までひたすら修行のごとく走る必要があります。これが田舎に住んでるなら30分とかなのでしょうが都内在住の場合1.5時間-2時間、しかも渋滞やサンデードライバーばかりでカオスな夕方のトラフィックの中を走らないといけない。はっきり言ってめちゃめちゃつらいです。つらいのです(本当につらいので二回書いた)
トランポなら雨だろうが台風だろうが走行後は袋にすべてのドロドロなグッズを袋にぶち込んで、サンダルにラフな格好へ着替えて、エアコンが効いた快適な車に乗るだけ。あとは最寄りの温泉ですべてを洗い流し、おいしいご飯を食べればもう整った!!リラックスした状態でジャックジョンソンでも流しながらエモく帰路を目指せばいいのです。
「バイク装備を脱げる」これはとっても大事なことなのです!
4.自走で体力が削られる
バイクって走っているだけでも体力や精神力が削られますよね?特に帰宅時は暗かったり渋滞だったりと疲れます。
バイクと車での疲労度の違いはけた違いです。渋滞?涼しいクーラーの効いた車内で好きな音楽聞いたりラジオ聞いたりしてればいいし、疲れたら車内ですぐ仮眠もとれます。
特に帰りは疲れているので判断力も鈍っていることが多いし、事故のリスクも高くなります。車と比べてバイクは事故った時のリスクがとんでもなく大きいです。
あと「自走で帰らないといけない」と思うとオフロードでも体力を気にしながら走るのでやや消化不良になることも。でも帰宅の体力まで使って遊ぶと本当につらい(一度経験したことがあるけど15分起きにコンビニで休憩しながら帰った)のでこの辺は自走はつらいです。
付け加えるなら、レーサーなのでパワーがどかっと出る。これが疲れにもつながっている気もします。まぁ慣れればここは気にならないかな?あとお尻もスタンディングを混ぜたりすることでそんなに痛くはならなかったです。
行きは割とわくわくでで楽しいのですが帰りは本当つらい。
5.バイクの消耗も進む
乗り物は何でも走れば走るほど消耗します。
特にオフロードバイクでは1000kmも走ったらタイヤのおいしいところがなくなるといわれるほど。そして残念ながら舗装路は土よりも固くあっという間に摩耗しておいしいところが消えます。
レーサーは距離でなく時間でメンテナンスを管理します。100時間ごとにグリスアップみたいな。
例えば「オフロードを5時間走る」場合、自走だと「+往復の4時間」消耗が進みます。消耗が進むとメンテナンスをしないといけない。メンテナンスをするとそれだけお金がかかる。せっかく消耗するならどうでもいいオンロードでなくオフロードで…というのが自然な考えってワケです。
でも毎週バイク乗っているんじゃなければあまり消耗は気にしなくてもいいのでは?
6.しかもコストはかかる
これだけのデメリットを負うのに、さらに高速道路を使えばお金がかかるしガソリン代も当然かかってきます。しかもメンテナンス頻度が比較的に高まるのでメンテ代もかかります。
また、レースなど本番ではさすがに自走は大変なのでトランポをレンタルします。するとその都度「レンタル代」がかかりますしレンタカー屋さんまでの移動時間、レンタルしてからすべてを積む労力と時間、さらに帰宅時間の制限(レンタル期限)という精神的な苦痛(コスト)がかかってきます。
トランポを持たないという選択は案外コストがかかるのです。
トランポのデメリットは?
上記は自走のデメリットでした。逆にトランポのデメリットは?
1.車を買わないといけない
バイクのために車を買わないといけません。安い車なら10万円とかでも買えるらしいですが・・・
2.車の維持費がかかる
バイクに乗るために車の維持もしないといけなくなります。トランポではバイクの消耗がない分車の消耗がありますし、車のメンテナンスもしないといけません。
駐車場代、車のメンテナンス代、保険代、自動車税と重量税、車検。あとトランポとして便利に使うためにカスタム代もかかってきます。そして移送するなら高速代やガソリン代もかかりますが、これは自走でもかかるのでここは相対的には0円かな。
・・・これだけ。つまりすべてのデメリットやリスクはお金で解決できるってワケ。
トランポ vs 自走
結果としてトランポと自走ではどちらが良いのでしょうか?
・・・答えは人や環境によります。
トランポを買うかどうかは損益分岐点を計算しよう
上記を踏まえると「ガッツリオフロード遊びしたい!」という方はトランポ必須だと言えます。それはクローズドコースでも林道でも。
トランポを買うかどうかまだ悩んでいる方向けに一つの考え方をご紹介します。
レンタルトランポは頻度が多ければそれだけお金がかかる従量課金。トランポを持ってしまえば定額なので携帯電話のパケ放題(これ知っている人も最近は少ないのかしら)みたいな感じです。
自分はどっちなのかな?という人は一度、損益分岐点を考えましょう。
損益分岐点
損益分岐点という言葉をここで使うのは厳密には誤用ですが伝わりやすいかなと思いあえて使っています。ここでは分岐点はレンタル回数となります。
何回レンタルしたら損するの?
何回レンタルするなら買ったほうが安いのか。それを調べましょ!
計算するにはトランポのにかかる金額を試算してみましょう!スパンは1年間で計算するとわかりやすいです。式は以下…
1年間にかかるトランポ代=(車本体+初期カスタム代/乗る予定の年数)+1年間の駐車場代+保険代+税金+車検代+車メンテ代
これで1年にかかるトランポ代がわかりましたね?この金額をもとに近所のレンタカー屋さんの金額を割れば、分岐点がわかります。
損益分岐点のレンタル回数=(1年間にかかるトランポ代)/(1回のトランポレンタル代)
式だとわかりずらいですよね?実際に計算してみました。
サンバーを買った場合
例えば「4WDのサンバー」を45万円でかって10年間乗ると決めた場合、損益分岐点となるレンタル回数は20.35回です。
計算式はこんな感じ。
1年間にかかるトランポ代=(45万+5万/10)+駐車場代24万+(自賠責約1.3万+任意約6万円)+税金約1.4万+車検代約2万+メンテ代1万円
40.7万円/年が1年間にかかるトランポ代です。でで、トランポレンタル代が一泊二日の遠征でゆとりをもって一回2万円だとします。すると、、、
「トランポ代40.7万円/レンタル代2万=レンタル回数」なので20.35回。
つまり四捨五入して20回以上レンタルする予定があるならトランポを買ったほうが安いといえます。1年間は12か月なので月に二回遠征するなら確実に買ったほうがお得。月に二回バイクしている僕としては微妙なところです。
・・・なおもし駐車場代が掛からなければトランポ代-24万円なので、8.35回が損益分岐点。年間8回レンタルするなら買ったほうが安くなります。駐車場代かかりすぎぃぃぃ!!
参考までに僕は過去1年間でトランポを利用(レンタル・相乗り)で14回でした。
どう考えても自走はデメリットしかないけど、自走にしかない楽しさは確かにある
ここまで散々自走をdisってきましたが、自走にしかない楽しさは確かにあります。
いろいろあるけど大事なのは「バイクで完結する」という事です。
というのもトランポを使うと「オフロードで走る」というただ一つの目的のみに特化してしまい、残りはすべて移動区間なのです。その点自走だと行き帰りすべてバイクに乗れる。そして苦楽を共に過ごせる(というか過ごすしかなくなる)のです。
僕は久々に自走で走りましたが旅というかツーリング気分を沢山味わえたし、何よりレンタル代がかからなかったのでその分おいしいものやいいホテルに泊まったりできるという気持ち的な面で楽しめます。
(ただし解せない点が…すれ違っても誰もヤエーしてくれないし、コンビニとか道の駅でも誰も話しかけてくれない…オフ車は孤独なのか)
まとめ
トランポを持たない自走のデメリットについて書きました。
今回記事を書いていて気付くのが、「お金か土地がない人はオフロードバイクをやるのは苦行」ということ。
僕のように都内に住んでて駐車場代2万円/月 かかる環境ではお金持ちか土地を持っていないとこういう趣味は苦行だと改めて気づかされます。そもそもモータースポーツはお金がかかるものだし、トランポはやはり必須かなあと。冒頭で書いた通り、オフロードをガッツリやるなら持っていない人は異端者なんだと思います。自走だと体力や帰りが気がかりで思いっきり走れない。ということでこれからオフロードをガッツリやるぞ!という方はリスクやデメリットも含めてトランポを購入したほうが絶対に良いぞ!
勘違いしてほしくないのは自走でオフロードがNGだったり楽しくないわけでは決してないということ。自走ならではな楽しさは確かにあるし、ツーリングの一環でのオフロードもあると思います。自走では8分目くらいの気持ちで自制して走らないとリスクが大きいのであなたがどちらのスタイルなのかが選ぶポイントになってくると思います。
そして、レンタルかトランポ購入かは損益分岐点を基準に考えると決心が固まるかもしれません。車ごとの維持費も調べれば出てきますよ!
僕は後4か月でいったんバイクを降りるのでトランポを買うことはないですが、もし「これから購入するぞ!」って人はぜひ二台以上バイクが乗る車を買って僕も載せてください。そして「俺のトランポでピックアップしてあげるよ?」と僕を誘ってください。載せてくれるならどこでもついていきます←
こんな感じ。