こんにちは。ぼっちバイカーです。
僕は初めてのオフロードバイクがKTM 690ENDURO Rでした。
KTM 690 ENDURO R 2015
このバイクは排気量的にはビッグオフですが、250ccのトレールバイク(いわゆるセローやKLX250,WR250R,CRF250L)と同じくらいの車重(139kg)で、用途としては250トレールバイク乗りと同じ、林道ツーリングへ行ったりすることができます。
僕は690でオフロード遊びを始め、オフロードの魅力にすっかりハマってしまい「もっとオフロードを楽しみたい」と思うようになりました。
…そして、オフロードレーサーへ乗り換えました。
KTM 250EXC 2017
乗換えを報告した記事
乗り換えてから半年。トレールバイクからレーサーに乗り換えた僕が何を感じ、何がわかったのか。
今トレールバイクを所有していてレーサーも検討している人に向けて、インプレを書いてみようと思います。
念のため注意。これはあくまで個人の意見です!
僕が見聞きしたトレールとレーサーの違いとは
感想を書く前に、トレールとレーサーの違いついて確認してみましょう。
僕はレーサーへ乗り換える時、こんな違いがあると思っていました。
トレール
「公道走行可能・街のり・ツーリング・オフロード走行」のバランスが取れていて”なんでもできる”のがトレールバイク。
ぱっと思いつくのはヤマハ セロー
色々なことが要求されます。
- 高速道路での安定性
- 荷物やタンデムにも耐えうる頑丈で太いフレーム
- 長期間メンテしなくても動き続ける耐久性のあるエンジン
- 長距離を巡航できる燃費の良さ
- 他のバイクに負けないパワー
- 買い求めやすい250ccクラスの価格
これらの要求の1つに「オフロードでの走行性能」があるわけ。
690ccのバイクだったのでパワーは十分でしたがトレールは重さが一番のネックだと感じてました。
オフロードレーサー
じゃあレーサーは?
Honda CRF250R
主に「レースで結果を出すために作られたバイク」です。
レースのフォーマットごとに味付けや設計思想が大きく異なるのが特徴で、モトクロス用のバイクはモトクロッサー、トライアル用にトライアルバイク。エンデューロ向けにはエンデューロレーサーがあります。ラリーとかは今回は除外。
よく聞くレーサーのデメリットとして
- 販売価格が高い
- メンテナンスサイクルが短い
- 公道走れない(トランポ必要)
- セルが無い
- パワーがピーキーで乗りにくい(低速が無くて開けて何ぼ)
- レーサーは壊れやすい
- ツーリングで使えない
- 外車
- 乗りこなせないからモッタイナイ
という感じでしょうか。
??「レーサーは上級者が乗るものだから乗るな」
調べると「トレールかレーサーか?」は割とよくある疑問のようです。
知恵袋てきな感じのサイトでも複数件見つけました。どれも
質問者「オフ車初心者なのですが林道で遊んだりするのにトレールもいいけど思い切ってレーサーを買うのもってやばいっすかね?w それかWR250Rとかどう?」
回答者「レーサー?!貴方みたいな初心者が買ったら絶対後悔するよ?エンジンばらせます?レーサーはアクセルあけてナンボなエンジンだからパワーがありすぎて初心者にはまず乗りこなせません。サスも硬いし何よりレーサーは耐久性を犠牲にしてパワーを出しているのです。走行ごとにメンテナンスするのがあたりまえ。WRはパワーはレーサー並なのでセローを乗りこなせた人が乗るものです。初心者が乗ってもモッタイナイ。悪い事は言わないからセローにしなさい。それか軽くて扱いやすいklx125」
的な感じ。見たことないでしょうか。
僕も初めてのオフ車が690EDRでしたが同じようなことをブログのコメントやメールで言われたりしました。初心者には乗りこなせないんだからやめろ。KTMの名がすたる。モッタイナイって。
言わんとすることはわかりますしセローが正解だと思います。でも好きなバイク乗ったら?って言いたいですね(半笑い)
でも僕もレーサーってこういう印象だったのはまちがいないです。
・・・
はてさて、これらの事前情報どこまで本当だったんでしょうか?
(ここからが本題です)
トレールから乗り換えて6ヵ月経ってわかった5つの事
レーサーに乗り換えて半年。わかった事を5つ書いてみます。
1. いわゆる”レーサー”ってモトクロッサーのことだった
ネットや一般的に言われている”レーサー”。
僕が感じたのは「多くの人がモトクロッサーの話をしていた」という事でした。
Honda CRF125F
実際オフロードバイクのレースと言われてまず連想するのはモトクロスだと思うのです。
モトクロスでは大きなジャンプの衝撃を吸収する為にサスペンションは硬く、ストロークも長いです。そしてよくモトクロスやってる人は「スロットルはOn(全開)かOff(全閉)しかない」と言われる程ガンガンあけます。のでエンジンも高回転型となっています。スロットルレスポンスも良い。モトクロスコースの様な砂埃が舞い散るレースではマシンへのダメージも大きいのでレースやコース走行ごとにメンテというのもわかります。(実際モトクロッサーには数回くらいしか乗ったことが無いのであくまで聞いたり想像の話)
このような話を聞くとモトクロッサーは確かに初心者が街乗りや林道ツーリングの延長線用途で乗ると乗りづらくなりそうです。スプリントレースのような短い時間なら問題なさそうですがツーリングのように長時間走るのは色々対策をしないといけないでしょうね。そもそも灯火類がどこまでつくのか・・。
良く聞いたりネットで調べると出てくるレーサーのイメージである「サスが硬くて乗りづらい」「パワーがピーキーで疲れる・扱いきれない」「ぶん回してなんぼ」「(負荷が高いので)レース後は毎回メンテ」はモトクロッサーの事だと思います。
この記事を読んではてなブロガーのゆきポメ (id:pomeTZR_3XV)氏からこんなコメントが…
ハスクのモトクロッサーTC125とTC250に乗る機会があったので。
元々、ボクはYZ85LWとYZ125に乗ってたのですが、YZ125とTC125じゃ圧倒的に低速トルクがTCの方があります。TC250も同じでTEに迫るほどトルクがあります。吹け上りとかは流石にTE程穏やかじゃないですし、ピークパワーもTCの方があります。でもTC125でエンデューロしてる人もいるくらいTCはトルクフルでしたw
メンテ頻度もですが国内も2stMXとハスク(KTM)の2stMXでは全然頻度が異なります。推奨メンテでもクランクは90時間以上です。YZは10~15時間推奨でした。この辺も国産とは異なるっぽいですわw
エンデューロレーサーは乗りやすかった
モトクロッサーとは見た目似ているけど全然違うのがエンデューロレーサー
エンデューロはモトクロスの様な整地されたコースも走るし自然の山道も走る競技で時間も長い事が多いです。
世界でも有名なISDE(The International Six Days Enduro)は6日間走り続けるとか。
KTM 250EXC SIXDAYS
耐久レースや過酷な路面の中を長距離走るので「エンジンやフレームの耐久性」「長時間ライディングしても疲れないような設計」「速度が出せないセクションでの走破性」「障害物を超えるサスペンション」「開ければパワフル」「メンテナンスの容易さ」等が重要な課題となっています。
エンジンは極低速走行も重要だしモトクロスコースのような開けたところでは高回転のパワーも必要な為、低速重視なトライアルや高速重視のモトクロッサーよりも幅広いです。足場の悪い場所でエンストしてもすぐにリスタート出来るようにセルもついています。勿論軽い。更にエンデューロではリエゾンと呼ばれる公道も走ることもあるので標準でヘッドライトやウィンカーもついていますし外車ならナンバーも取得できます。
・・・これを聞くとエンデューロレーサーはかなりトレールに近いバイクと思いませんか?
競技ごとの速度域(イメージです)
「レーサーなんて乗ってると疲れるんじゃない?」と言われることが多いですが、実際試乗するとわかりますがトレールバイクより軽くて扱いやすく、低速もモリモリあるってサスも良いので疲れないし乗りやすいと感じました。
トレールバイクとは違って「あえて性能を落とす(デチューン)ことで耐久性や乗りやすさに振ってる」ってこと。
エンデューロレーサーとモトクロッサーは見た目は似てても全然違いますし、モトクロッサーベースの高回転型エンジンをいくら調整してもエンデューロ専用に開発された中低速重視のエンジンにはならないのは素人考えで想像しています。
2.バイクは道具
これを書いたら怒られそうですが、バイクは相棒ではなく道具です。通勤に使う道具であり遠くに行く道具であり道路を走る道具。
トレールとレーサーを例えるならば「オシャレなコンバースのスニーカーがトレールバイクでNikeのスポーツ用シューズがレーサー」って感じ。
Nikeのバスケットシューズ
競技に合わせて作られた専用の道具を使うのはスポーツでは当たり前です。
バスケットを練習するならバスケットシューズだしサッカーならサッカーシューズ(スパイク?)。陸上でも同じ。競技として取り組むなら専用に作られた道具で練習した方が効率良く上達でき、良い結果がだせます。
・・・
でも、「お前はまだ下手なんだからスニーカーで十分だよ」っていう人も結構いますよね?
僕は気づいてしまったのです。
これって・・・
全部、桜木花道のせいだ。
僕らが「トレールで練習してステップアップでレーサー」という発想をしてしまうのはきっとこの漫画のせいなんだと思います。
体育館履きを履きつぶした桜木花道
バッシュはバスケットマンの必需品?
そう、スラムダンク!!
たぶんスラダン以外の漫画やドラマでも弘法筆を選ばずよろしく、本人のポテンシャルで上を目指すパターンは多いです。
…何故なら、かっこいいから!
主人公が最先端アイテムや機能・性能だけで勝ち進む話なんてきっと面白くない。やっぱり相手が最強装備・環境がべスコンで自分はハンデをもっても勝つことにカルタシスがある。ワクワクするんだと思います。
最強機体で主人公が本気で戦わない話は不満が起きる?
でもね?
…現実世界でならスニーカーじゃなくてバッシュを買ったほうがいいと思うの。
バッシュを買ってもすぐにバスケがうまくならないのと一緒で、レーサーを買ってやっとスタート地点です。
…もしバッシュが30万円くらいするなら世界中の多くの人がスニーカーでバスケットをしていたと思います。バイクもそういうことなんじゃないかなって。
実際お値段も凶暴なので躊躇すると思います。僕もそうでした。でも専用道具でしかも内部燃焼機関がついているので仕方ないかなって。
スニーカーでNBAにはたぶん出れないですが草試合くらいなら勝てるかもしれませんし、仲間内でバスケやるならコンバースだろうがクロックスだろうが楽しければなんでもいいのです。
たぶんそういう事。
話が逸れましたが、結論としてはオフロードレーサーはトレールの上位互換やうまい人が乗るものではなく、専用道具だと僕は思ったのでした。
お値段は高いけど専用道具で遊ぶのは間違いなく楽だし、資金的に行けるなら始めから専用道具で始めることは何も間違っていないよってことでした。
3.トレールからレーサーへ乗り換えて感じたよかったこと
KTM 250EXCはエンデューロレーサーなのでここではエンデューロレーサーへ乗り換えた事でよかったと思った事をぽろぽろ書いていきます。
サスのおかげで上達したように感じる
サスペンションはバイクを構成するパーツの中でも重要な走りを変えるパーツとよく言われます(エンジン・タイヤ・サス)
トレールから乗換えて一番感じたのは、エンデューロレーサーは兎に角サスペンションが良い事でした。
今までだったら構えてしまう凸凹や障害物もすいーっといけてしまいますし、ゆっくりドキドキするような道もしっかりまっすぐ進んでくれますし、フラットダートのようなスピードが出る場所でも地面をしっかりととらえてヌメーっと走ってくれるのです。まさに「猫足・魔法のじゅうたん」。
僕のバイクについているWP XPlor 48 upside-down fork
過去にヒルクライム後のジャンプで失敗してフロントタイヤから地面に落ちてしまった事がありましたが、フロントサスがガッツリ仕事をしてくれて何事もなかったかのように着地できました。たぶんトレールだったら底付きして吹っ飛んで場合によっては怪我していた可能性もありましたよ。
走破性が増えてライダーのミスもカバーしてくれるのでオフロード遊びが安全で楽しくなりますし自分がうまくなったかのように感じます。
さらに地面からの衝撃が緩和されるので疲れにくい。おかげでWEXのようなクロスカントリーレースや耐久レースでも体力を温存することが出来ると強く感じました。
サスってすごい!!
練習するうえで軽さは正義
練習していると転ぶかどうかギリギリの走りをしなければいけないことがあります。大体普通はそこでバイクを倒します。
…倒したら引き起こしをしないといけません。(たまにオフで一度も転んだ事が無いと自慢するいう人がいますがたぶんそれって練習になっていない気がするの…)
引き起こしは体力を使うので軽ければ軽いほど疲れが残らずに練習に集中できます。
オフロードバイクでよく最高峰と言われるであるWR250Rは132kgですが、レーサーKTM250EXCは103kgです。(EXCは乾燥重量なので単純比較はできないですがそれでも軽い)
実際、僕は690EDRの時よりも反復練習できる回数が増えましたし練習終わりの疲労感や筋肉痛の場所が全然違います。軽さは正義!
…同じ理由でキックよりもセルの方が疲れないので初心者はセル付きにしておいたほうが練習に集中できると思います。
軽さは正義!
レースでの平均スピードが上がる
週末バイカー向けクロスカントリーレースであるWEXに、レーサーを買って走行2回目という不慣れな状態で出場しましたが、EDRよりもかなり良い成績でした。
不慣れな2ストレーサーで「守りの走り」でしたがそれでもスピードは上がっていました。
サスが良くてバイクが軽いので加減速も素早くでき、コントロールできる速度が上がる。転んでもバイクが軽いので素早くリカバリーできる。結果リザルトは良くなる。って感じでしょうか。
こうなってもさっと引き起こせる
劇的にうまくなるわけではないですがこういう基本的なところから違います。
無理やり結論づけるなら、レースをやるならレーサー買った方が成績があがります。
・・・といいつつ、トレールバイクで僕より早い人が沢山います涙
「君は100万円を超えるバイクに乗ってるのに俺の8万円のセローに勝てないの?w」
なんて言われた日にはきっと立ち直れないと思いますがそれが現実。オフロードバイクは乗り手によるところが大きいのも楽しいのですがつらい事も多いです涙
メンテナンスはフツーだった!
レーサーはメンテナンスが大変と聞きますが、日常的に僕がメンテナンスでやることは「ネジの緩みの確認や増し締め」「チェーン注油」「オイル交換」だけでした。少なくとも半年の時点では。
オイル交換ですが僕の250EXCは2サイクルエンジンなのでギアオイル交換頻度は4スト程多くないです。月に1-2回くらいしか乗らなくてそんなにぶん回さない人なら3ヵ月に一回とかでも大丈夫です。しかも交換するオイルは0.8Lなのでどうという事は無いです。
レーサー4ストモデルの250EXC-Fのエンジンオイル交換サイクルも1000 – 1500kmごと。
250トレールだとわかりませんがハイスペックなオンロードバイクでも交換頻度はこのくらいですし交換するオイル量はせいぜいい1リットルくらいなのでそこまで大変というわけではないと思います。知り合いによるとオイルフィルターは二回に一回、という人が多いですね。
メンテナンス頻度は確かにトレールよりは高いですがそもそもそんなにバイクで長距離を走らないので1年間でのメンテナンス費用で考えるとそんなに変わらない気がします。
なお僕は未体験ゾーンですが聞いた話。KTM4ストの場合エンジンのバルブはチタンバルブなのでとっても軽量!が、これの交換となった場合は6.6万円、ピストンも3.6万円なので結構な出費となりそう。どのくらい走ったら交換なのかはわかりませんがここまでやるなら売って乗換を…って人もいるかもですね。
2ストはその点で構造が単純でピストンも2.5万円なのでそこまで痛くは無い、ハズ。
4ストと2ストだとメンテナンス費用は変わってくるようですね。
レーサーは頑丈!
レーサーは転ぶ前提で設計されているので頑丈だと感じました。ハンドルとかペダルもトレールバイクよりも頑丈なものがついていると思います。(とはいえ690は標準でレンサルのファットバーだったし良いものだった)
トレールの690 ENDURO Rでは転ぶたびに曲がったり折れたり穴あいたりと大変でしたが、今から考えるとエネルギー保存の法則よろしく重ければ重いほど衝撃が大きかったからなのかなって思ったり。
僕はこの半年でたぶん100回を超える程転んだりバイクを発射させたり前転したり捲れたり落としたりしていますが、破損したパーツはまだ何もない。あ、ウィンカーだけかな。あと後付したハンドルガードは折れましたね…
シュラウドはバリバリ傷ついていきますがこれも1-2万円でリフレッシュできるので本当に良く考えられています。
「オフロードバイクは持ち主に懐くと喜んでお腹を見せます」
一言でいうと、兎に角頑丈ってことです。逆さになってもへーきで始動するので怖いくらいw
世界一過酷なレースで前転したり崖から落ちてもフツーにエンジンがかかるくらいなので僕みたいに速度も出ていない人間がこかしたところで全然ヘーキって感じで安心して遊べます。
遊び方によっては壊れる
「レーサーは頑丈」と書いておいて反対の事を書くのですが、知り合いのオフロードレーサーでクランクケースに穴あいてしまったりフェンダーが折れたり、フロントマスクが割れたりしている人をたくさん知っています…
これらはレーサーが壊れやすいのではなく、
「レーサーはパワーや走破性があるのでバイクを壊すような場所へ行けてしまうしスピードも出る。その結果バイクがどんどん消耗する」
という事だと思っています。
もちろん乗り手のスキルによるところなので一概には比較できないですが、僕はそう思ってます。あ、上手い人はバイク壊さないですね。
レーサーは壊れやすい?
「トレールの感覚でノーメンテで1万キロ走ったら壊れた」としたらそりゃこわれるでしょって感じですし、「バイクはノーメンテナンスで5-10万キロ走ってあたりまえ」と考えられている方からしたら壊れやすいのかもしれません。中には「腰上のオーバーホール=故障」と思っている人もいるかもしれませんね。
でもね?そもそもレーサーに乗ると公道は殆ど走りません。タイヤがもったいない。しかもコースでも平均30-40km/h位。僕なんか平均15位なんじゃないかな。そうなると1万キロなんてまず走れないですし、乗っている日数で考えたら大きくは変わらないと思いますヨ?
トレールと同じように日本一周とかするのに使うとちゃんと考えてメンテしないと壊れやすいのかもしれませんが、オフロード遊びしてちゃんとメンテしてれば壊れないと思います。
低速モリモリで乗りやすい!
冒頭でもふれたとおり、エンデューロレーサー乗りやすいです。
トレールと比較したらもちろんパワーはあるので怖いかもしれませんが僕みたいに初心者でアクセル開けられなくてもそこそこ走破してくれます。
特に2ストのエンデューロレーサーは低速が充実しており、4ストのように突然プシュンとエンストしないので良いです。このあたりはぜひ一度乗り比べてほしいですね。
オフロードが楽しい(超重要)
僕はレースで勝つためでもオフロードスキルを高めて何かしたいわけでも正直ないです。でもオフロードバイクは楽しいし、レーサーならもっとオフロード遊びが楽しめると思って購入しました。
買った結果、やっぱりオフロードがもっと好きになりましたw
うまくなれたかはわかりませんが690の時は行こうと思わなかった場所も行けるようになりましたし、この半年でクロスカントリーレース、オンタイム制レース、ハードエンデューロ等色々なレースに参戦する事も出来ました。トレールでももちろん出れますが気負わずに楽しめたなって思っています。
オフロードを楽しみたいならレーサーでどっぷり浸かった方がより楽しめると思いますよ!
4.悪かったとこ!
勿論デメリットはありました。
お財布が寂しい…
まずバイクがいいお値段なのでお財布が寂しいことになります。セロー2台変えるお値段ですものね…
さらに僕のバイクは2スト、しかもハイオクなのでガソリン代は190円/1L です。なお燃費はフツーにバシバシ乗ってると10km/1Lです(白目)
公道だと10kmなんてあっという間ですね涙
前半は自走していましたが最近はトランポの方が楽だし何よりもレーサーで公道を長時間走るとタイヤもモッタイナイので考えてしまいます。
あと走る場所がコース、そしてレースが多くなるので出費が嵩みます。レースは遠方が多いので往復のトランポガソリン代とレース代だけでも3万円くらいかかりますし、コースも遠方なのでコース量と交通費で1万円だと足りません。
これにトランポの維持費が入ったら死んでしまいます。。。
これはそもそもレーサーを買ってコースやレース活動をする場合の話なのでレーサーを買ったら絶対かかるお金ではないですが、レーサーを買ったらやっぱりこういう遊びが増えるので出費が増えてお財布を圧迫していきます。
なお勿論トレールでもコースやレース活動をすればお金はかかります。ただ自走でレースとかするなら少しは安くなるかも。
ツーリングにいけない
当たり前ですが、オンロードツーリングにはいけないです。
…いけないというと語弊があって公道走行はできるし法律上問題ないのですが、僕の250EXCだと1回の給油で100km位しか走れないし燃費もお察し。タイヤもツーリング用に変えるのは大変です。
そういった手間の部分でどうしてもツーリングは行く気が起きないです。
なのでたまに、「あー、ツーリング行きたいなぁ」とか思っても、駐輪場にあるナンバープレートもフロントヘッドライトもウィンカーもついていない泥だらけのレーサーをみると、「タイヤ交換してナンバーつけて電装関連を戻すの面倒だし、混合給油だから燃費がナァ~」となってしまうのです。
4ストならワンちゃん!?
僕のは2ストなので厳しいですが、4ストモデル、例えばKTM 250EXC-Fならツーリングは普通に行けます。
何でも燃費は20km/lとのことですし、高速などでレブ珍しなければ全然行けるようです。
実際、雑誌riderの編集長三上さんは今年、ハスクバーナのFE250で自走でレースをしており、東京から広島まで走ったり北海道に行ったりしていますがマシン自体は何の問題もないとのことでした。
公道の流れは合わない
これはギア比にもよるかもですが、2ストエンデューロレーサーで公道走行すると結構疲れます。
基本パワーバンドのちょっと下を維持して走るのですがプラグかぶらないか心配だしエンジンに優しくない。公道の流れに合わせるのはかなりストレスがあります。
更に2ストサウンドや煙は異端なので割と注目を浴びてしまって恥ずかしいし、煽ってるわけではないのに道を譲ってくれることが多いです。
勿論走れなくはないですが公道走行は疲れますね。。。4ストならそこまでではない気がします。
メンテナンスは自分でやらないといけない
トレールと違ってオイル交換や増し締めチェック、各種オイルチェック、タイヤ交換等、基本的な事を自分でやらないといけません。
腰上OHとかサスとかはショップに預ける人も結構いるようですが、それでもトレールよりも自分で管理する事が多いです。そしてレーサーはそれ前提で作られているのでのりっぱなしってわけにはいきません。
トランポが欲しくなる
正直レーサーで公道を走るのがかなりつらくなってきました。
トランポの楽ちんさを経験すると自走の辛さが身に染みてわかりますし、レーサーでの公道走行は楽しい事がほぼ無いのです。
僕は乗る頻度と駐車場の関係からトータルで安いレンタカーを利用していますが、毎回荷物を全部積み下ろししたりレンタル期限を気にしたりしないといけないので金額以上のデメリットも感じています。
正直トランポが欲しいよぅ!田舎に住みたいよぅ。
情報が少ない
まずオフロードレーサーを所有している人が少なく、さらにレーサーは年式によって結構大幅にアップデートされるので年式を超えてどこまで共通しているのかももわかりません。
参考になるのは海外のフォーラム、あとは兎に角SNSです。僕はTwitterで同じ年式のバイクに乗っている人を数名フォローしてますし、不安な点は相談したり出来ます。
一番はディーラーですが当たり外れがあるのでなんとも言えないですね涙
正直運ですw
5.視野が広がったことで情報過多になった
これはバイクがってことではなく、とりまく環境って事になります。ちょっとネガティブ要素なのですが思ったことなので正直に書きます。
…トレールバイクで林道とかで遊んでいた時は「みんなで楽しく林道遊び」っていう感じでした。
うまい下手より、失敗して笑ったり辛くて笑ったりして遊ぶ、自分だけでクリアすることはどうでもよくて皆でクリアできれば勝ち、みたいな感じ。
それがレーサーを買ってコースやレース遊びするようになったことで視野が広がり、オフロードレーサーの格付けの世界に入ることになりました。これ自体はようやくスタートというなので良い事なのですが、世界の広さや自分の小ささに気が付き落ち込むことが定期的にあります。
これは皆オフロードが真剣に好きで向上心の塊だからこそなのですが、情報の密度や粒度がかなり細かく「あのヒルクラムはドコドコでこうすると良い」「あのガレ場をこうやってクリアできた」「もっとこうしないとダメ」みたいないわゆる”定石”のような情報が錯そうします。
格付けがあるので「次に君はこれが出来るようにならないといけないからこれをやろう」という目標もある程度決まってるし、追いつけ追い抜けで練習をしないといけない。結果はレースでリザルトとして残りヒエラルキーが出来る。
この情報の濃さのおかげで効率よく成長できたと思う反面「うまくならないといけない」という義務感から走っていることもたまにあると感じていました。
オフロードバイクは割と狭い世界なので日本チャンピオンレベルの人と一緒に走る機会もあったりします。そこでギャップや積み上げてきたものの大きさを見て絶望する事もあります。
今まで人と争う事が嫌いな体育会系文化部だったので、スポーツを真剣にやることが初めてだった僕には随分と厳しい世界だと感じましたね。こんなにバイクに対して真剣な世界があったんだなぁって。
・・・
とはいえ半年経つとこういう世界に慣れて来るもので、自分のポジションもこの半年でわかってきたし今はこういうヒエラルキーの世界で少しでも上を目指せるよう自分なりに取り組んでいけたらいいなぁと思っています。やっぱり自分の成長を実感できるのは楽しいです。
兎に角、林道で遊んでたころと比べるとコースやレースで知り合う人たちの情報の濃さ、そしてスキルの高さには驚くことばかりでした。
僕なんか万年初心者です。
レーサーだから行けて当たり前
あと頑張って走破できるようになっても「レーサーだから」とマシンのおかげってなることも多いです。
別にほめてほしいわけじゃないですが「レーサーならいけて当たり前」みたいに思われることが多いですし、トレールバイクでフツーに走破できるのにレーサーで苦戦していると呆れられたりします(悲しみ)
ここでバスケットシューズの話を思い出してもらうとわかりやすいのですが、結局人間次第なのですよね。大変なものは大変なのです。
今までは690ENDURO Rに乗って林道でアタックとか言って登れなくて当然。登れたらすごい!って感じで楽しく遊んでいましたしトレールだとレーサーと単純に比較される事が無いし「僕はトレールだから」と言い訳できる。その方が人と比較されずに楽だよなぁとたまにEDRが恋しくなることがあります。
レーサーだとそういう意味で言い訳が出来ないのでたまにプレッシャーに感じることがありますね。僕だけ?
レーサーを検討している方へ
現在オフロードレーサーを検討している方は、「何をしたいのか」を是非一度考えてみてください。
「モトクロスがしたい」「トライアルがしたい」「クロスカントリーがしたい」「ハードエンデューロがしたい」「林道のもっと自由に探索をしたい」など色々あると思います。
もし「まだよくわからないけど興味ある」という感じで現在トレールバイクに乗っているなら、今のバイクでコース遊びや初心者でも参加できるレースに参加してみましょう!レースに出ると自分がやりたいことがどうかがはっきり分かると思います。
そして、トレールの延長線上でオフロードを楽しみたいならエンデューロレーサーは良いと思います。レースで勝つのは難しいですがトライアル遊びも出来るしモトクロス遊びもできるし、街乗りも出来なくはないです。
そしてぜひ試乗してみましょう!YAMAHA,KTM,ハスクバーナ,Beta,シェルコ,ガスガスでは全然乗り味が違うので驚くと思います。
レーサーはトレールよりも軽くて扱いやすいですし今よりもオフロードの視野を広げて楽しめることは保証します。レーサーはトレールのステップアップではなく専用道具なのでレベルは関係なくオフロードをもっとやってみたい練習したい。と思う方なら絶対後悔しないです。
聞きかじった話とオススメバイク
これは本当に聞いた話なので話半分で。僕が半年乗ってきて聞いたり感じたレーサーに関するアドバイスですw
- 2ストは本当に難しいので拘りが無ければ4ストがよい。聞いた話だと一番評判がいいのは4ストのシェルコ。2ストより軽くてパワフルなんだとか。でも高い
- ハスクかKTMで迷ったらリンクの有無に注目。リンクレスは走っている時やメンテナンス性は良いけど斜面でのリスタート時や下りでの挙動に難がある
- 2ストなら125より250の方が低速がモリモリあって扱いやすいよ
- 2ストでもKTM 250EXC TPIは初心者にもオススメ。実際パワーバンドが緩やかで4ストみたいな感じで乗りやすかった。しかも燃費よくてキャブじゃなくて混合も不要。
- ハードエンデューロやるならBeta。特に低速が粘るクロストレーナーが最強らしい。足つきもいいぞ!
- JNCC(WEX)のようなクロスカントリーをやるならYamahaのYZ250FX一択。本当に乗りやすくてパワフルでいいマシン
- モトクロスでない限り初心者はセル付きが絶対に良い。キックで消耗するなら練習で消耗しよう?
- お店は近い方が良い。あとメンテも教えてくれるようなフレンドリーなショップの方が良い。やっぱりショップで教えてもらえるのが一番
- KTMはどこでもいるのでマイナー感は0
結局どんなバイクも乗るのは自分なので周りの情報も大事ですが最後は好きなものを買えばよいですね。好きなバイクで練習できるのが一番です。
まとめ
トレールからレーサーへ乗換えて分かったことを紹介しました。
実際にレーサーに乗り換えるまではわからなかった世界だったので同じようにレーサーを検討している人が少しでもレーサーの事がわかったらいいなぁって思います。
トレールの上位互換がレーサーと思われがちですが、そんなに特別なものでもなく方向性が違う専用道具っていうだけ。レーサーに乗り換えたら全部うまくいく、というのは妄想でした。
オフロード遊びが大好きだったらレーサーは更に深く楽しめる道具になるので絶対後悔しないです。
気になったらまずは試乗してみることを強くオススメします。百聞は一見、ないし「百聞は一試乗にしかず」です!
これを読んでレーサーの敷居が少しでも下がり、オフロード遊びをする人口が増えたらいいなぁ。
こんな感じ。
あ、装備はしっかりしよう!!