こんにちは。ぼっちバイカーです。
250EXCのカスタムとして少し前にキャブレターのセッティングを大幅に変えてみました。
これに次いでカスタム第二段。
シリンダーヘッドを変更してみました。作業工程とインプレです!
そもそも、シリンダーヘッドとはこれです。
コレ
バラバラにするとこれ!
パーツリストではこれ
今回はこのシリンダーヘッドをEXCの物からSX(モトクロスモデル)のものへ変更します。
2017 KTM 250 SX
SXのシリンダーヘッドへ変えると何がうれしいの?
JD Jettingというキャブのセッティングキットがあります。そのサイトでこのレポートを発見したのです。
TE250 (2017)のシリンダーヘッドの違い
※注意:なお125EXCは125SXと同じシリンダーヘッドのようなのでこの限りではないようです!
SXの方が全体的に上ですよね。全体的にパワーが増えて扱いやすくなったらいいなぁと思ったのです。あと、Tokyo Offroadの中の人が「中低速がだいぶ扱いやすくなる」と話していたのも大きいです。
試してみることに。
必要なパーツ
購入したパーツは以下です。備忘録なのでパーツ番号も載せときます。
パーツNo | 名前 | 金額 | 個数 |
---|---|---|---|
55430006000 | CYLINDER HEAD 250 SX | ¥17,453- | 1個 |
0770730020 | O-RING 73,00X2,00 VITON | ¥293- | 1個 |
0770105020 | O-RING 105,00X2,00 07 | ¥368- | 1個 |
56530080000 | CU-SEAL RING 8 X 16 X 1 | 数百円 | 6個 |
0603061001 | CU-SEAL RING DIN7603-6X10X1 | 数百円 | 1個 |
「シリンダーヘッドなんてお高いんでょう?」
と思いますが予想よりは安かったかな。それでも十分お高いですが・・・
シリンダーヘッド自体は1.7万円。シリンダーとの間のOリングが500円チョイ。シリンダーヘッドを留めるボルトに挟む銅ワッシャーが600円くらいでした。
SXのシリンダーヘッドはバックオーダーとなっており9月末に注文して11月上旬納品でした。特に急いでいなかったので問題なし。その他Oリング系は1週間掛からず届きました。
今回の作業にプラスして、クーラントを抜くのでクーラントやクーラント用ドレインボルトの銅ワッシャーも必要となりますので諸々併せて2万円って感じ。十分高いですが試す価値があると判断したのです。詳しい方から圧縮比が上がって負荷が高くなることで起きるデメリットも教えて頂きましたし僕もカスタム費用に充てるよりも練習費用に費やした方がいいとも思ったのですが、まぁ僕のお金と僕のマシンなので許してください。
・・・
という事で…
デデン!綺麗な鋳造シリンダーヘッド!パッと見何が違うのかわかりませんw
一緒に購入したシリンダーヘッドのOリング。エンジン部分なのでこの辺は焦らず揃えましょう(当たり前)
シリンダーヘッドに取り付けるボルト用の銅ワッシャーも揃えます
部材は揃ったので出発です。
必要部材を段ボールにまとめて駐輪場へ!マンション住まいは移動が大変です涙(なお忘れ物したりで合計5往復した)
作業の流れをざっくり紹介するよ
細かい手順はTokyo Offroad師匠がズバリな動画をアップされていてのでこれ見ればOKです。
SXのシリンダーヘッドではなく更に強いシリンダーヘッドに変えているようですが概要は一緒。
一応手順概要を書くと、、、
- シートとタンクを外す
- クーラントを抜く
- エンジンブレースを外す
- クーラントホースを緩める
- シリンダーヘッドのボルトを外す
- シリンダーヘッドを交換する
- 上の作業を逆で組む
- クーラントを補充
こんな感じ。
シリンダーヘッドにクーラントが何の関係が?
僕は作業するまで「なぜシリンダーヘッドにクーラントが関係しているの?」と疑問だったのです。エンジンにクーラントは関係ないでしょ?って。
分解していって初めて分かったのです。
実はシリンダーの周りをクーラントがめぐっていた!と。
参考画像ですが、この赤いOリング2つの間はクーラントがめぐっているのです!
ここにクーラントが流れてて、Oリング一つの隣では爆発が起きているのです。
つまり僕が作業ミスしてOリングがしっかりシールしてなかったらシリンダー内にクーラントが混ざってウォーターハンマー現象で最悪エンジンぶっ壊すやつってこと・・・
という事でかなり緊張です。
最初は「Oリングも使い回しでいいっしょw」とかナメてましたがこの事実を知るやいなや、新品のOリングを注文しました。部品はディーラーさんから1個単位で売ってくださいましたよ!
作業メモ
メモがてら写真に一言スタイルで作業を紹介します。繰り返しですが作業手順ならTokyoOffroad氏の動画を見た方が為になります。僕のこれは備忘録。
1.シートとタンクを外す
シートとタンクをボルト3本抜いて外します。
2.クーラントを抜く
クーラントを抜きます。
3 ,2 ,1 ….
左右に振ったり傾けたりしてなるべく排出させました
外したドレインボルトはヌメヌメしてましたが特に問題はなかったので使い回し
でも銅ワッシャーはかなりやばい状態…もちろん新品に交換です
最後にクーラントを注ぎますが、このドレインボルトを取り付け忘れたら悲しいので先に締めてしまいます
なお、この写真でトルクレンチの持ち方が柄を持っていないですがこれは写真撮影の都合で短く持っただけです。プリセット型トルクレンチでは柄の部分を持たないと正しいトルクが伝わらないのでご注意ください。
これでクーラント排出完了です!
3.エンジンブレースを外す
エンジンブレースというエンジンとフレームを固定してる鉄板を外します。それぞれボルト3本で固定されています。
4.クーラントホースを外す
シリンダーヘッドについてるクーラントホースを抜きます。
プラグも外します!
マツケンさんに写真を送ったらプロショップエディさんに聞いてくださったようで、混合比を少し薄くしてもいいかも?とアドバイスいただきました。
シリンダーヘッドが大きくなるので混合比そのままでも多少は改善されそうですが様子見て混合比変えてみるか。
5.シリンダーヘッドのボルトを外す
6本のボルトを外します。
僕は昔ドラムをやっていたのですがドラムのヘッド(皮)を交換するときと同じで対角線上の順番で緩めて行きます。
こんな感じ
予想以上にトルクは高くなく、一旦緩めたらあとは指で回せるほどでした。ボルトに銅ワッシャーがしっかり密着しており、指で外せないほどでした。
上3つが表、下が裏。がっつり潰れてますね。もちろん新品へ交換です。
6.シリンダーヘッドを外して交換する
いよいよシリンダーヘッドを外します。
手では硬くて外れなかったので、ゴムハンマーで軽く下から叩き上げながら外しました。
今エンジンいじってる自分カッケーってテンション上がりましたねぇ。
ピストンが真っ黒ですがこれが正常かどうかすらわかりません。TokyoOffroad氏のビデオだと黒くなかった為焦りました。
マツケンさんに聞いたところこんなもののようで安心…
キックペダルをスコスコやってピストン位置を上まで持ってきます
これが上死点ってやつでは?(名推理)
真っ黒なピストンが精神衛生上よろしくなかったのでパーツクリーナーをウエスに吹き付けてそれでコスコスしてカーボンを落としてあげました
なお本当はエンジンコンディショナーでやるらしいです。
シリンダーについてるOリング2こも交換します。このおリングがへたっててシリンダーヘッドとの間に隙間があった場合大惨事です。特に内側のOリングはピストンが動いたりスパークプラグが点火してたりする燃焼室とクーラントを仕切ってる大事なアイテムなので本当に気をつけましょう。
TokyoOffroad師匠の動画ではOリングを設置後、シリコングリスを薄く塗布していましたので僕も真似しておきました。
この辺りは必死すぎて写真がないです。
そして、新しいSXシリンダーヘッドをはめ込みます。
忘れてた!クーラントレベル確認用のボルトブリーザースクリューもEXCヘッドからSXヘッドへ移します
指で回るところまで回して、そこから対角線上に締めて行きます!
勿論既定トルクで。マニュアル読もう。
7.上の作業を逆で組む
あとは簡単。
クーラントホースを戻し、エンジンブレースを戻し、プラグとプラグケーブルを戻して、タンクをつけて、シートを戻します。
8.クーラントを補充
最後にクーラントを補充します。
シリケートフリーなので希釈せずに原液を使います。
最後にクーラントが入ってるかをチェックしましょうね。
起動確認して完了
音がうるさくしてもいい場所までバイクを持っていき、エンジン始動。
問題なく動くことを確認し、エンジン回りからクーラントが漏れていないかもチェック。これで作業完了です。緊張感が凄い。自分で作業した後ははかなり怖い。これでエンジン壊れたらもうバイクは二度と触らないぞ・・・。
インプレ
作業後初の走行はなんと、「日野ハードエンデューロ当日」でした。
もし作業ミスしていたり不具合があった時を考えると色々まずかったのですが幸いそんなこともなく無事に日野ハードエンデューロの3時間を耐えてくれました。
良く頑張った・・・
という事でインプレです。
確かに低速が豊かになった(気がする)
二週間もあけると正直バイクのフィーリングなんてわかりませんw
それでも低中域は確かに豊かになったというか扱いやすくなったように感じました。
いわゆる2ストのエンスト寸前の「ボワァ」っていう部分が広くなったように感じましたし、パワーの出方も前より扱いやすかった。
元々Tokyo Offroad氏のキャブレターセッティングはこのSXシリンダー前提のセッティングでした。のでシリンダーヘッドを交換するまでまでは割とかぶり気味というかやや濃いと思っていたのです。
そのあたりがマッチしたというか、パワーが上がった以外にも気持ちスムーズに操ることが出来るようになった気がしました。
何度も書いていますが正直気がする、って感じ。
正直良くわからないけどヒルクライムはやりやすかった
日野ハードエンデューロではタイヤの空気圧が1.1だった事もあり、正直、劇的にうまく乗れるようになった!とは言い難いというかよくわからないのが本音。このあたりはもうちょっと乗っていかないとですね。
でもヒルクライムで前よりも開ければ開けるだけ進む感があったし、TokyoOffroad氏から教えてもらったキャブのセッティングとマッチしていた感もあり、確実に乗りやすくはなっています。
データでもそれが立証されている
MIKUNIのキャブレターなんか捨ててケーヒンのPWKに行け!と言われそうですがまぁカスタムはこの辺にして、このセッティングで慣れていこうと思っています。(本音はお金が無い)
レースでも感じましたが兎に角アクセルを開けられないので開けられるようにならないと!道具は間違いなくいいものなのでこれに慣れていくことがだいじかなぁと思っています。
まとめ
KTM 250EXC のシリンダーヘッドをSXのヘッドへ替えてみました。
もともとのセッティングよりも乗りやすくなりましたしパワーアップを感じます。が、1.7万円は安くないのでオススメレベルはそこまで高くないかも。まぁ興味ある人はやってみて!って感じです。「JD Jettingキット+SXシリンダーヘッド」を買うお金にプラス数万円足せばケーヒンのキャブが使えますしこっちの方が正解の様な気もしています。
ただ繰り返しですが、僕みたいなヘタクソだとここにお金投資するなら、そのお金で沢山練習したりした方がうまくなるんじゃないかなぁと思うのです。多少乗りにくいといってもやっぱり2ストでパワーはあるわけですし、乗れていないのはセッティングより自分だよなぁと。
あとこれ以上バイクをカスタムしていくと、余計に自分の下手さが出てしまうというか、自分に言い訳が出来なくて追いつめられるくらいにはならないように今を楽しみたいなぁと思っています。
…そんなちょっと迷走チックなカスタムでした。
こんな感じ。