こんにちは。ぼっちバイカーです。
タイトルの通りKTM 690 ENDURO RにABSキャンセラーを取り付けました。
取り付け自体は簡単なのですがいろいろと背景がありますのでそこから。手順だけが見たい方は「 KTM 690 ENDURO RにABSキャンセラードングルを取り付け」から見てください。
そもそもなんでオフロード走行ではABSを切るのさ?
せっかくついているABSをどうして切りたいのか、疑問に思う方も多いかもしれません。このバイクを買った僕もその一人でした。
そもそもABSって?
そもそもABSについてはご存知でしょうか。
Anti-lock Braking Systemの略で、ロックとはスリップの意味。「タイヤがロックする」と聞くとどうしてもタイヤが固まって動かないイメージがでてしまうので僕はスリップと呼んでいます。一言で書くなら「スリップしないようにするなんかすごい装置」です。試すのが一番ですが走行中に思いっきりブレーキを踏むと「カー、カー、カー、カー」とブレーキがオンオフされてスリップしない感じでブレーキをかけてくれるシステムです。
バイクの場合二輪なのでABSの恩恵は大きい。特にフロントタイヤがスリップすると、たとえバイクの運転が上手なレーサーでもどうしようもないと言っていた気がしたので、ABSの恩恵はバイクでも計り知れません。
オフ車がABS不要な理由はダートではスリップして当たり前だから
これにつきます。
ダートでは地面が砂や土や石で不安定。この状態でラフにアクセルを開ければすぐにタイヤが空転しますし、走行中にガツッとブレーキをかけるとすぐにズサーとスリップします。これはリアタイヤもフロントタイヤも同じ。ダートだとすぐにABSが介入するので本来の「いざというときのABS」でなくなってしまう。
普通はこのズサーに慣れつつも転ばないズサーの範囲で走れるようになったり、タイヤと地面がくっついててズサーしないギリギリのラインを探ったりしながら安全に走れることを練習するものなのです。
なので僕みたいなABS野郎が来ると、
「はやくABS外さなきゃ話にならないよ?www」
となるってワケ(半分フィクションです)
実はお金を払わなくてもABSはオフにできる
KTM 690 ENDURO RはABSが前後ついていますが、オフにすることはできます。その方法はキーオン後にフロントパネルのABSボタンを5秒ほど長押しすること。
でもこれ一旦キーオフしたりエンストしたりするとまたやらなければいけません。メンドクサイですしうっかり忘れてびっくりすることが多く実用的ではありません。
何より他のオフ車がエンジンかけて待っている中、僕はABSボタンを真顔で長押ししている姿が毎回繰り返されるのです。シュールでしょう?
なので最近はメンドクサクテABSオンのまま走っています。
実はダートでもABSは有用
ここでちょっとしたカミングアウトなんですが、実施いろいろな人に上記のような事を言われつつも僕は本当かなぁと疑問に思っていました。
ABSでダートを走ったことがない人が「ABSはダートではだめだよ」と言っているだけですし、ABSついてない人の僻み何じゃないかって疑っていた時期もありました(おおげさ)
実際何度もフロントタイヤがズサーしそうな時にもABSのガチンガチンガチンで救われたし、スリップダウンを一度も経験せずにここまで楽めていますし悪い事ばかりではない気もしています。なのでダートだとABSが完全に無能だとは僕は思いません。
ダートでABSを使う4つの欠点
もちろん欠点があります。ざっとあげると、
- ブレーキがABSのせいで効かないのでスピードが出ていると止まれない
- ダートの基本はスリップと仲良くなることなので基本が身につかない
- ABSを切りたい時にいちいちABSボタンを長押しするのがメンドクサイ・忘れる
- ブレーキターンのような技が使えない
これらからまとめると、
(ABSが元々ついていない)他のオフ車と同じように扱いたかったり、早いスピードで走ることが多いならABSは切った方がいい
という事になるかと思います。安全にゆっくりトコトコ走るならむしろABSありはオオアリかと。
なお「ABSオンだとスピードが出てると止まれない」という件は急坂を降りる時も同じです。
過去、林道のちょっとしたヒルクライムを降りる時にABSのせいでスピードが全然落ちず死ぬかと思ったことがありました(おおげさ)
僕がABSを付ける一番の目的はWEX
今月末に僕はJNCC のWEXというファンレースに参加します。で、
僕がABSキャンセラーを付けるのは上記欠点がWEXでは大きな問題となりそうだから
です。
急坂を下ったり、スピードが出せるストレートがあった時にオーバーランや止まりきれずに木に激突とか嫌なので。
…しかし今まではABSの支援があった状態で走っていたのでアマッタレちゃんです。適当だったブレーキの使い方もこれから練習しなければいけません。
しかし、最近のKTMのオフロードレーサーはみんな機械の支援があるんですよね(あっちはいわゆる”攻めの機械支援”。リアタイヤの空転を検知すると機械が空転しないでグリップするように燃調を調整して効率的に加速できたりする)。機械支援はオフロードでは不要、というのもまたオールドスクールとなっていくのかもしれませんね。
KTM 690 ENDURO RにABSキャンセラードングルを取り付け
という事でやっとこ本題です。ここからはさらっと行きますよ。
取り付けるのはコレ
KTM 690 ENDURO R用のABSキャンセラードングルがKTMのパワーパーツにリストされています。がWebikeで買えるポイントが欲しい人はこっちです。大体1週間で届きました。
KTM POWER PARTS KTMパワーパーツ/バッドフュエル&ABSキャンセルドングル 1050
手軽に買えるプライスならお試しで入れられるのですが、(これで1.3万円超えは)キッツーですよー
(オフロード走るために1.3万円払うEDR)いいでしょ?(キチスマ)
KTMだけでなくKTM傘下のHusqvarna社ロゴもありますね。
オフ用のドングルって書かれてます。ATってどこ?AusTriaのことかしら。
アルミステーは何につかうんだろ、他の690乗りのブログではみたことがないアイテムです。
ドイツ語、英語、イタリア語、フランス語、スペイン語なので結構分厚いです。
ん?”Preliminary work 1190 ADVENTURE”!?僕、690じゃないやつ買っちゃった?!
と思ったら後ろのページに690EDR/SMCRのページがあって安心^^ ちなみにアルミステーは1190 ADV専用のステーだったようです。690ではゴミですね。
取り付け手順は簡単。
- シートを外す
- バッテリーカバーを外す
- EFIコントロールユニットの留め具を外してずらす
- ダイアグノスティックスコネクターのダミープラグを抜く
- ABSキャンセラードングルをダイアグノスティックスコネクターへ差し込む
- EDRについているブラケットにABSキャンセラーをマウントして無理のないようにケーブルを整える
取り付けはこれで完了。あとは外したパーツを戻すだけです。
サクッと取り付けるぜ
実際に見てみましょう。
ABSキャンセラードングルをダイアグノスティックスコネクターへ差し込む
無理のないようにケーブルを整え、EFIコントロールユニットの留め具を戻しました
動作確認
作業の本当の完了は動作テストをしてからです。
このABSキャンセラードングルが刺さっているとこんな感じの挙動になります。
モード | ABS | メーターのABSインジケータ |
---|---|---|
ABS1 | フロント:ONリア:OFF | 5秒に一回光る |
ABS2 | フロント:OFFリア:OFF | 点滅 |
デフォルトはABS1モードでエンジンをかける前にABSボタン長押しするとABSモード2です。なのでフロントからのスリップダウンはしないけどリアブレーキはがつっとできる。うんこれでいい、むしろこれがいい。
確認するとABS1が5秒に一回点滅しており、実際にリアをスリップさせることができました。フロントは怖くて舗装路ではテストできなかった…
まぁOKでしょう!!これで完了です!
2017/04/24追記
コメントで教えていただきましたが、以下の時にABSキャンセルがされないことがあるようです。
- キーオンしてメーターが動いている間にイグニッションオンする時
- 車両が動いている時にイグニッションオンする時
ABS切っていると思って切れていないのはかなり怖いので注意ですね!!!
タイヤズサーはかっこいい
走行中にリアブレーキを急に踏んでスリップされることでブレーキターン!そしてそこからアクセルを派手に開けてタイヤをスリップさせて方向を変えるアクセルターン!なんて技もあります。
舗装路だとスタントマンレベルの技量が必要ですがオフロードなら割と簡単にできます。僕もオフロードビレッジのモトクロスごっこで教えてもらってすぐできるようになりました。
今まではやりたくてもABSが介入してくるのでブレーキターンはできませんでしたがこれからは出来るようになります。
・・・そして僕もAKIRAの金田みたいにかっこよくはてなブロガーツーリングで登場するんだ…
僕「(主にパーツ代が)ピーキー過ぎてお前にゃ無理だよ(乗りこなせるとは言ってない)」
・・・・
まとめ
KTM 690 ENDURO RにABSキャンセラードングルをインストールしました。
ABSキャンセラーはオフロードでもいいことばかりではなく、トコトコ安全重視なら付けなくてもいい装備だと個人的には思った。
しかしEDRをよりオフロードバイクに近づけることができ、さらにスピードが出た時もしっかりブレーキを使う事が出来るようになりました。自己責任の範疇が広がったように感じていますので次回走行する時は初心に帰って徐々に慣らしていきたいものです。
…あ、次回のダート走行はWEX本番でした←
こんな感じ。